麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

獅子

2011年10月16日 | 鑑賞
劇団文化座第134回『獅子』を観た。
(作/三好十郎、演出/原田一樹)

創立70周年を迎えた老舗劇団の
財産演目の一つである。

1943年、佐佐木隆演出での初演以来、
新人公演や学校公演等含め、
今回で八度目の上演となり、
ステージ数は130を超えている。

45年には満州を巡演。
そのまま終戦となり、暫く彼の地に
劇団ごと留まった際の演目だ。

戦時中の農村。若い娘が、
母の進める縁談と約束を交わした
幼馴染との間で揺れ、
仲人が先方の名代でやってくる日、
汽車で満州へ向けて彼と走り去る。
・・・少々乱暴だけど、
ざっくり言えば、そんな筋立て。

父は本家筋ながら、優柔不断な性格が
祟って没落の一途。
そんな夫を尻に敷く妻。
分家筋は、農業から商業にシフトして
成功している。

登場人物一人ひとりがそれぞれ粒立ち、
当時の世相がくっきり背景にして
浮かび上がる佳作である。

実に32年ぶりに文化座が取り組んだ
70周年記念第一弾は、
新たに原田演出で臨んだ。

1時間半。豊穣なひとときが
過ごせる芝居でした。

ちなみに「獅子」は、
父が獅子舞の名手であるところから。
いよいよ嫁見の宴が迫る時、
娘が舞って欲しいと頼む場面も。

さて。獅子といえば、
僕の同居人が獅子座だ。
木曜日には『同居人』という
舞台を観た。

長くなったので、それは改めて書く。
コメント
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