麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

迷宮のかなたに・・・

2007年12月08日 | 東演
 土日といえば、下北沢演劇祭「世田谷区民上演グループA」の稽古。
このブログで取り上げるのは久しぶりですが、休まず稽古は進んでいます。

 さて、今年取り組んでいる『非常怪談』は非常に難解な戯曲で、かなり高いハードルの作品です。

 また、芝居の見所に「混線シーン」がある(楽しみがなくなるので詳しくは話しません)のですが、ちょうど今、稽古自体が迷宮にハマッていると言えます。
 ただこれは、そーゆーシーンのある芝居だからではなく
以下のようことを毎年のようにグログに書いているはずです。

“これは区民Aに限らず、プロだって、さらには芝居に限らず、大学の研究室や総社のプラントでも通る道だ”・・・みたいなことを。

 だからって現場では「今そーゆー時期だから、ま、いっか…」などと言っている場合じゃなく、仮に言っていたら、その迷宮から抜け出すことは不可能!

 勿論、優秀な区民Aの面々は、重々承知の助
 今日は演出が休みの日だったのですが、だからこそ出来ることをと、部屋の隅々に椅子を置き、つまりは距離を長く取って会話を交わすトレーニングを自ら考えて取り組んでいました。

 蛇足ながら解説すれば。
 舞台上で、いかにも日常的に会話してるように見えて、本当に普通に話したら客席には「声」が聞こえません。かと言って怒鳴っては「日常」にならない。
 「通る声を掴まえる」稽古ってわけです!

 さらには幾つかのグループに分かれて、余り当たっていないシーンをテーブルや椅子を使って動きながら試す立ち稽古組、部屋の片隅で台本に沿ってディスカッションの中で整理するテーブル稽古組と、時間と空間を有効に使うメンバー達…。

 難しい作品をあえて選んだのは、演出家不在でも自主稽古をこなせる頼もしさを、10月から(或いは数年前から)接しながら、彼らから感じ取ったからこそです。

 これまで築き上げてきた「区民A」の力を試す。。。と書くと、まるで同じメンバーで毎年やってきたみたいですが、毎回、一部のリピーター以外は「お芝居初めて!」って陣容で臨んでいるのが実情です。

 そのリピーター達も、名門運動部よろしく、高校なら3年、大学なら4年で入れ替わっても尚強いという連綿とした流れの中にあるわけじゃないので、“積みあげた”と言われても、リンダ困っちゃう!ってなる座組です。
 でも
 前述したような力を持った区民Aなので、今年はあえて難解な作品にチャレンジすることにしました
 迷宮の彼方に、終演後にもらうだろう温かい拍手を目指して
コメント
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