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投資信託主義 藤沢久美 角川新書
手間をかけない資産運用方法と人生を見据えた投資の法則という宣伝文句に釣られて買ったが、やはり金儲けは面倒くさくいからやめた。著者によると、日本人がこれまで資産運用をしてこなかったのは、しなくてよかった、する必要性が低かったからだという。日本の社会保障制度は、国や企業が運用のすべてを肩代わりする、素晴らしい社会主義システムだった。ファンドに言い換えれば、国がファンドマネージャーでみんなから預かったお金を国が運用し、社会福祉制度という形で還元してきたとも。しかし、これが景気後退と人口減少、グローバリズム化の流れの中で壊れてしまった。いわば55年体制の崩壊だ。社会主義が敗れて、個人主義の嵐が吹き荒れたということか。
日本人は江戸時代から武士的美意識に慣れて来たせいで、お金儲けをいやしむ傾向がある。お金を運用して利殖にはしるのを嫌う。地位とかお金に対するこだわりを表面的には見せない気風がある。これが中国人とは違うところだ。でも最近の公務員に対する攻撃は、否応なしに老後の生活をどうするかを思案させる。いままでのほほんとやりすぎたという反省はある。給料10%、退職金5%カットおいおい本気かよ。でもお金を増やすなんてめんどくさい。お金は使うものだ。