Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

ドイツワイン シュプライツァー リースリング QbA トロッケン 2008 ラインガウ

2010-08-29 23:55:24 | Wine

2008er Josef Spreitzer
Riesling QbA trocken
Weingut Spreitzer


<醸造所について>

キラ星のごとく名ワイナリーがひしめくラインガウにあって、
優良ワイン農家組合「VDP」にも加盟しているシュプライツァー醸造所は
1641年よりワイン造りに携わっている歴史あるワイナリー。
現在は専門的に技術を学んだ二人の若い兄弟が
畑仕事とワイン醸造を分担して運営しており、
所有する17haの栽培面積のうち97%がリースリング種。
クーベーアーとは言え飲み手に納得させる品質を保つことは
「名ワイナリー」と言われる必須条件かも知れない。
シュプライツァーはこの条件を存分に満たしている。


品種:リースリング
等級:QbA
alc.:11.8%
糖度:
酸度:7.2g/L


<テイスティング>
外観:輝きのある明るいゴールド、微発泡、粘性中等度
香り:綿あめ 洋梨 桃 ビニール
味 :アタックは微発泡のシュワシュワした刺激。
   りんごのコンポートや洋梨の風味
   酸味は中等度からやや強め
   ピンクグレープフルーツのような優しい苦味。。
   余韻は長めで蜂蜜やカリンのコンポートの風味


<栽培指定地域ラインガウについて>



ラインガウは、
大河ラインがマインツあたりにさしかかるころ、
急に西に直角に方向転換するその北岸、
真南に向いたタウヌス山腹の一面にある。
したがって、ライン川沿いの約40kmに渡るそのブドウ畑は
全て真南に向いている。

ライン川はこの地域でその川幅を一層広め、
最大1.2kmに達するところもあり、
この大河の恵みを十二分に受ける。

また、タウヌス山系によって荒々しい北風からも守られ、
まれに見る好条件のブドウ畑が生み出され、
昔から大銘醸ワインの数々を世に送り出してきた。
ドイツにおける最も高級な歴史的ワイン産地である。

黄土層や粘板質微粒砂土と風化した粘板岩からなる土壌は、
リースリングには理想的で、完璧なまでに熟成し、
洗練された芳香と果実味豊かな酸味を持つ
最高品質の優雅なワインを生む。

栽培総面積は3,000haで、大きさから言うと全栽培地域のうち8番目。

ベライヒは1つのみ(ヨハニスベルグ)。

栽培品種は、
リースリング 79%
シューペートブルグンダー 13%
ミューラートウルガウ 2%







ドイツワイン ローゼン リースリングQbA 2008 モーゼル

2010-08-29 23:43:27 | Wine

2008er Loosen
Riesling QbA
Loosen Bros./Bernkastel



<醸造所について>

Dr.ローゼン醸造所は
モーゼル川沿いの南向きの急斜面に6つの銘醸畑を所有。
当主エルンスト・ローゼン氏は、樹齢60~70年の樹が植えられた
「ヴェーレナー・ゾンネンウーア」
「エアデナー・トレプヒェン」などを
歴史文書に基づき非公式ながら特級、1級に格付けした。

ドイツワインの権威スチュアート・ビゴット氏は
「畑ごとのワインの味わいの違いを表現する見本」と評している。

今でこそ世界的に名を馳せている醸造所だが、
エルンスト氏は必ずしも望んでこの世界に足を踏み入れた訳ではない。
ドクター・ローゼンは200年の歴史を誇る醸造所だったが、
収穫量を重んじる昔ながらの手法を重んじ品質はすっかり低迷していた。
そんな醸造所を父が病気になった事を機にエルンストが引き継いだ。

醸造長のベルンハルト・シュグ氏とともに仕事を根本から見直すと、
古くからの怠惰なスタッフは全て去っていった。
化学肥料の廃止、収量の制限と厳しい選果、
全房のプレスを導入し天然酵母を使用。
10年たらずで醸造所はドイツのトップに躍り出た。

2001年度にはドイツ最優秀醸造家賞を受賞している。

品種:リースリング
等級:QbA
alc.:9.0%
糖度:45g/L
酸度:8.3g/L


<テイスティング>
外観:輝きのあるレモンイエロー 微発泡 粘性中等度
香り:落ち着いたミネラルの香り、白い花 りんご ミント
味: アタックは微発泡の刺激でややシャープだが
   すぐにオイリーなテクスチャーが訪れる。
   爽やかなりんごの甘さと酸味、
   酸味はやや落ち着いた感じだがしっかりと口内に残る。
   余韻は中等度で酸味と最後に軽い苦味を感じる。


<栽培指定地域モーゼルについて>



モーゼル河は全長550kmだが、
ルクセンブルグとの国境沿いを流れ、
コブレンツ市でラインに合流するまで蛇行に蛇行を繰り返す。
直線距離にすると140km程度だから、いかにその蛇行が大きいかがわかる。
北に向かって流れるモーゼルのこの大きな蛇行が
あちこちで東西に流れる部分を作り、真南を向く傾斜面が多く出現する。
しかもザール、ルーヴァーをはじめとして、
10を越える支流が流れ込むみ、
川沿いには著名なワイン村がひしめいている。
栽培総面積は8,800ha。

一般にモーゼルのワインは、
ラインガウが「優雅な貴婦人」に例えられるのに対し、
愛くるしい「山の娘」といわれ、一言で表すなら「冴えた酸味」、
言い換えれば歯切れの良い酸味が特徴である。
しかしモーゼルは南北に長い地域だから、
上流部と下流部ではその地形と土壌の違いによって味わいは異なる。

ベライヒは6つ。

栽培品種は
リースリング 59%
ミューラートゥルガウ 14%
エルブリング
ケルナー




ドイツワイン リースリング QbA ケラー 2008 ラインヘッセン

2010-08-29 22:59:16 | Wine

2008er
Riesling QbA
Abfuller Weingut Keller


<醸造所について>

現在ドイツで最も評価の高い醸造所の筆頭、ケラー醸造所。
200年以上もの伝統を大切に近代的な設備で作られたワインは
現地でも入手困難。

2000年にドイツの権威あるワイン評価本ゴー・ミヨにより
「今年の最優秀ワインメーカー」に選ばれる。
また2003年の同誌ドイツワインガイドでは、
「この10年間の最優秀ワインメーカ-」という栄誉ある最高の賞を
ドイツのワイナリーとして初めて与えられ、
欧米ではすでにその実力が評価されている。

12.5haの所有畑にはリースリングやシュペートブルグンダーを中心に
様々な品種が栽培され、年間10万本を生産する。

ケラー醸造所では 化学肥料は一切使わない 。

2年前にフェロモン・コントロールを導入し、
満月の前に収穫を行うなど、
栽培方法はますますオーガニックの方向に向いている。
しかしビオディナミのように
牛の角を使ったプリパレーションは実践していない。


葡萄品種::リースリング
等級:QbA
alc.:11.37%
糖度:14.4 g/L
酸度:7.6g/L



<テイスティング>

外観:輝きのある黄色 粘性中等度
香り:ミネラル 石灰 線香
   レモン グレープフルーツ
   黄色い花
味: アタックはシュワシュワと微発泡の刺激を舌先に感じ、
   グレープフルーツのような爽やかな酸味と苦味が口内に広がる。
   ミネラル感あり、酸味も強い。
   余韻は苦味の中にも蜂蜜のような甘みあり中等度の長さ。



<栽培指定地域ラインヘッセンについて>  
 
ラインヘッセンは、
栽培総面積約25,500ha、ドイツ最大のブドウ栽培地域で、
全ドイツ栽培面積の4分の1近くを占める。

その地形はなだらかな丘陵に囲まれた平地。
土壌は黄土層に石灰岩と砂岩の微粒砂土で形成されている。

「ドイツワイン辞典」より

ナッケンハイムからニアシュタインまでの細長い高台にある、
東向きの赤い土壌斜面は 「ラインフロント」と呼ばれる。

「ラインフロント」の畑は見てすぐわかるほどの赤茶色で、
「ローテン・ハンク(赤い斜面)」
「ラインテラッセン(段々畑)」
「ロートシーファー(赤い粘板岩)」とも呼ばれる。

他の地域には見られない特異な土壌、赤色粘板岩。
この土は豊かなフレーバーと独特の深みをワインに与え、
高級リースリングを生み出している。

ラインフロントの背後にある地域はヒューゲルラントと呼ばれ、
ラインヘッセンの総生産の80%を担っている。

千の丘とも呼ばれるラインヘッセンは最大のブドウ産地であるが故、
大量生産ワインという
悪いイメージが普及してしまったという悩みもあるが、
これらを一掃する凄まじいパワーと志を持った優秀な生産者が
たくさん現れている。

ベライヒは3つ。

栽培品種は、
ミューラー・トゥルガウ 16%
ドルンフェルダー 13%
リースリング 13%
シルヴァーナー 9%
最近はシルヴァーナーの影が薄れ、
ファーバーやバフースのような新品種が増えてきている。