板橋区大谷口のAさんは近所に住む地主から、自宅用に34坪を借地している。商店街ではないが、数件の商店が混在する通りに面した場所である。
昨年の11月末に、契約期間が満了するという僅か数日前のことだ。地主からわざわざ「折り入って御相談したいことが有り、是非とも御来宅をお願います」との趣旨の手紙が届いた。
その日の夜、Aさんは早速に地主宅を訪問した。型通りの挨拶が済むと、直ぐに地主は2つの提案を切り出してきた。このまま更新しても相当の更新料も頂くことになるから、この際、底地を買って貰いたい。それが無理なら、私の方で家を買取ると言うのである。余りに突然な話で、Aさんも少々困惑したが、返事は後日にすると約し、その場を引き上げた。
数日後、Aさんが地主に売却価格・買取価格の提示を求めたところ、契約期間が到来しているから、借地権価格は4割、底地価格を6割にするとの高圧的な回答だった。
その後2度、話し合いの機会を持ったが、地主の意向は最初と全く変わらず、売買の話は結局は物別れで終った。
その1週間後、更新料680万円を請求する旨の手紙が届いた。しかし、Aさんは更新請求には、全く動じなかった。予め、覚悟していたし、組合と事前の打ち合わせも済ませていたからだ。即日、更新料を拒否する旨の通知を地主に送り付けた。
その後、地主は更新料支払請求の調停を申立てたが、調停は第1回期日で不調に終った。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
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