東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

違法建築の賃貸マンション(ユービー福島)の責任は (大阪市)

2008年10月02日 | 借家の諸問題

 6月下旬、若い女性Kさんから、突然「違法建築で報道された「ユービー福島」に住んでいるが、オーナーから明け渡しを云われている」との相談が大借連へありました。

 Kさんの話によると、5月中旬にマスコミが「水増し建築の賃貸マンションで耐震性に問題がある」()と報道された直後、オーナー側の代理人から明け渡しを請求され、その条件は、「入居時の敷金を全額返還する、引越料は指定した業者を使う場合は全額負担する、その上で迷惑料として10万円を支払う」との条件で7月末までに退去してほしいと云うものでした。

 Kさんは、危険なマンションと知りながら一方的に明け渡せというオーナーへ「引越したら家賃があがるし不便になる。さらに、敷金も高くなる。こんな負担については補償してもらえないのか」と交渉するが誠意のない回答に怒り、大阪市計画調整部監察課へ問い合わせた。「違法建物の問題は、当事者間の問題であり、大阪市は無関係なのでオーナーと話し合ってほしい」とまったく取り合ってもらえず、インターネットで大借連を知り連絡したとのこと。

 大借連は、大阪市監察課へ照会したところ、全く同じ対応に終始。対応した課長代理は「」建築確認申請を受理後は、建築主から完了検査の申請がなければしないことになっており、今回のユービーの件はオーナーから申請がなかったので完了検査はしていない。申請のない建築物のトラブルはオーナー側の責任であり、違法建築物の疑いがある場合については通報により検査を行い、明らかに違法であることが確認されれば取り壊しを含めて行政処分を行っている」と応えるのみで、被害者に対する行政責任を負う認識が全くないことが明らかになりました。

 大借連側は、「居住者は、違法建築物であるかどうか、完了検査済み賃貸マンションであるかどうか仲介業者(ユービーは宅建免許業者)から説明があれば判断するであろうが、今回はオーナーから直接契約したので詐欺にかかったも同然である。しかも、完了検査は申請がなければしなくてもよいなどの見解は建築基準法がザル法であることを認めたものだ。大阪市の責任者は重大だ」と問いただししました。そして、後日大阪市へ申し入れることにしました。

 Kさんは、オーナーへ文書で抗議し要求をまとめ文書で申し入れたところ、オーナーの代理人から「7月末までに立ち退く故ことを条件に誠意を持って対応する」との回答えました。

 

大借連新聞より

 


 

大阪のマンション5棟、申請より多い階数に増築
2008年05月13日 朝日新聞

 大阪市の不動産会社「ユービー」(同市淀川区)と関連会社の「賃貸住宅サービス」(同)の所有する市内のマンション5棟が、建築時に市に申請した内容よりも階数を1~2階水増ししていたことが明らかになった。市は13日、建築基準法違反の疑いがあるとして調査に乗り出した。

  市によると、同市淀川区宮原1丁目の賃貸マンションは現在13階建てだが、94年の建築申請時は12階としていた。同区の別のマンションも申請時の11階が現在は12階に、福島区のマンションも9階が11階に増築されていた。このほか北区の二つのマンションでも階数が一つ増えていた。

  5棟については、工事後に必要な市の完了検査を受けておらず、いずれも書類上は「工事中」の扱いだった。市は階数の水増しが耐震性に影響している可能性もあると見て、詳しく調査をする。

  ユービーの関連会社は、テレビコマーシャルなどで知られる「週刊賃貸住宅サービス」を発行している。


 違法マンション5棟、1~2階高く建築
2008年5月14日 読売新聞

 大阪市内で10年以上前に建てられた賃貸マンション5棟が建築確認申請より1~2階高く建てられていたことが、市の調査でわかった。大阪市淀川区の不動産管理会社「ユービー」とその関連会社が所有、いずれも市の完了検査を受けずに住民を入居させていた。市は「耐震性にも疑問がある」として建築基準法違反の疑いで調べている。

 市によると、5棟は北、淀川、福島の3区にあり、1989~94年に市に建築確認申請が出された。福島区の1棟は11階建てだが、申請は9階建てで2階分を建て増しており、他の4棟は申請より1階分高く建てられていた。5棟にはそれぞれ入居者がいる。

 市に情報が寄せられ、12日から現地を調査し、不正が判明。ユービー社役員は市の調査に、申請と異なる違法建築であることを認めている。市は、高さや容積率の規制を無視して増床し、家賃収入を増やす狙いがあったとみている。申請より建物の重量が増え、耐震性が確保されていない恐れもあるという。

 建築基準法は、確認申請と同様に工事完成時の完了検査を建築主に義務付けている。しかし、全国的にも申請の2割程度が検査を受けていないのが実情。大阪市は今回発覚した5棟で最長20年近く未検査を放置していたことについて「実態を把握できていなかった。怠慢と言われても仕方がない」としている。


階数水増し問題、新たに部屋の増築も 大阪の不動産賃貸会社

2008.5.17 02:53  産経ニュース

 大阪市淀川区の不動産賃貸会社「ユービー」の賃貸マンション階数水増し問題で、市は16日、「ユービー21新大阪」(淀川区宮原)と「ユービー21梅田」(北区本庄西)の立ち入り調査を行い、建築確認申請時に比べ、階数が増やされているほか、吹き抜けがなくなり部屋が増築されていることを確認した。一方、この日の市議会では、平成元年以降、未検査数は10万7928件にのぼるとし、現体制ではすべての未検査物件をチェックすることは不可能との見通しを示した。

 「新大阪」では、確認申請では12階だったマンションが13階になっており、申請時に吹き抜けだった部分に床が設置され、部屋を増やしていた。また「梅田」では申請時8階だった階数を10階に増やし、2カ所申請していた吹き抜けにいずれも部屋を作っていた。部屋の増築戸数などは確認できていないが、市は、容積率をごまかす狙いがあったとみて建築基準法違反の疑いで調べている。

 市はこの日、市議会の委員会で、福島区と淀川区のユービーマンションで、情報提供を受けて調査していながら、階数の是正指導を徹底できていなかったことを陳謝。既存建築物の調査を年100件程度増やす方針だが、平成元年以降だけで10万件以上にのぼる未検査物件すべてを網羅することは不可能との見通しを示した。消防法に基づいて立ち入り調査している消防局との連携を深めるなどの手法でしか、対策を強化できないという。

                  ◇

 ユービーは16日、上原勇一郎社長名のコメントを発表した。13日に発覚した一連の問題をめぐって同社がコメントを出すのは初めて。昭和63年から平成7年までに建設確認申請して建設した建物の一部で増築工事を行っていたと認めたうえで謝罪。「調査の結果、建物の構造に不適合な部分が判明した場合、誠意を持って是正、補強工事などの対応をする」とした。また入居者に関しては「解約、転居についても誠意を持って対応する」としているが、コメント内容についての取材には応じていない。


 

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