東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

借地人8人が更新料の不払いで大きな成果 (東京・八王子市)

2009年05月08日 | 更新料(借地)

 八王子市に居住するAさんをはじめとする借地人8世帯は、昨年、地主代理の不動産業者から「土地賃貸借契約の期限についてのご通知」という文書を送付された。

 通知は、契約期間が4月30日で満了することから「引続き契約を希望される方は、更新の契約を交わしたいと思います。更新の契約を交わすに当りまして……契約更新料がございます」として金額を提示してきた。更新料は坪数で違い、高い人で480万円、低い人で60万円。おおよそ坪5万円の計算。

 借地人は、全員で借地更新料の請求を拒否したが、地主はその後代理人の不動産屋を通じ4月23日付で契約解除を通告し、5月分以降の地代の受領も拒否してきた。

 借地人一同は連名で借地契約の法定更新を主張し、地代は東京法務局八王子支局に供託した。

 7月に入り地主は弁護士を代理人に立て「更新料を支払うことは当事者間の合意となっている。更新料を支払わないと契約違反になる。更新料の支払いを拒絶した場合は法的手段をとる」と内容証明郵便で一斉に通告してきた。借地人一同は「次の更新時に更新料を支払う約束はしていない」と反論した。

 9月に裁判所からAさんのところに更新料410万円を支払うよう請求する調停申立書がられてきた。他の借地人にも同様の申立書が一斉に来た。申立書では、前回の更新時に更新料を支払ったから今回も支払う約定になっているという無茶苦茶な理屈で更新料を請求している。

 更新料を支払う意思はないので調停を不調にするよう9月下旬八王子簡易裁判所に上申書を提出した。

 上申書には、更新料請求を拒否した経過と、地主の代理人から契約解除の通告を受け、地主には正当事由がないため昨年5月1日をもって法定更新していることを主張した。また、更新料については最高裁昭和51年10月1日判決、同53年1月24日判決で、借地人には更新料支払い義務のないことは確定していることを主張した。

 地主の代理人から「前回更新時の契約書で次回の更新の際に更新料を支払う。金額は契約更新の時期に至った時当事者双方で協議して定める旨の約定がある」との全く嘘の主張に対しては、契約書の中にもそのような合意は一切ないことを明確に反論した。

 八王子簡易裁判所からは、昨年11月19日付で地主側が8名の借地人全員の調停申立てを全て取り下げたとの事由で「調停終了通知」が各借地人に送られてきた。

 その後現在まで、地主の側からは何らの動きもなく、地主の不動産業者や弁護士まで使った執拗な更新料請求はひとまず陰をひそめた。

 最初は地主の代理人から、契約解除の内容証明郵便を送りつけられたり、「更新料を支払わないと孫子の代で借地権はなくなる」と脅かされたり、裁判所に調停を申し立てられたりと、この1年、借地人一同「ハラハラドキドキ」だったが、組合の指示に従ってしっかりと結束したことが、今回の結果に結びついた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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