一般的には知名度が低いと思われるアシッドジャズの隠れ名盤。ガリアーノへの参加などでも知られるErnie McKone(アーニー・マコーン)とマルチプレーヤー兼コンポーザーであるMichael J McEvoy(マイケル・マケヴォイ)の2人によるユニット、The Maxによるおそらく唯一のアルバムです。フィーチャリング・ヴォーカリストにXavier Barnett(ザビエル・バルネット)を迎え、アーニー自身のレーベルBoogie Back Recordから92年にアナログオンリーでリリースしたM-6のタイトル曲を含む全11曲。おそらく当時CDのみでしかリリースされなかった作品と思われますが、手元にあるのはドイツ盤だったりするので、そもそもUKではリリースされていないのかもしれません。調べてみたのですが情報が少なく、色々な意味で良くわからない一枚です。ただ内容的には紛れもなく極上。基本的にはブラン・ニュー・ヘビーズ路線の生音ジャズファンク系アシッドジャズですが、もう少し落ち着いた雰囲気の作品となっており、既にクラブを卒業した大人でも鑑賞に耐えうる名盤に仕上がっています。同じような類の作品としては、元ジャミロクワイの2人が結成したSamuel Purdey(サミュエル・パーディー)のアルバムが何年か前に再発され、AOR界隈でも微妙に話題になりましたが、本作の方が録音年次が古いこともありもう少しストレートにアシッドジャズ。件のタイトル曲を始め、M-1のTime For ChangeやM-2のThat's The Way It Isなど、クラブ上がりの30代が聴いてグッと来るナンバーがギッシリ詰まっているので、そうした方には非常にお勧めな一枚です。ちなみに本作、オリジナルのCDはレアでなかなかに入手困難ですが、数年前にRezzonator Musicなるレーベルからダウンロード販売が開始されており、媒体にさえ拘らなければ現在ではitunes storeでも気軽に購入可能。試聴についてもお手軽に出来るので、興味の湧いた方は是非チェックしてみてください。AORファンでも案外違和感なく受け入れられる作品だと思います。
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