At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Spaceark / Same

2013-02-25 | Free Soul
ジャケットとタイトルに偽りありな、カリフォルニアの白黒混合アコースティック・ソウル・バンドによる1stアルバム。数年前RARE GROOVE A to Z誌に2ndが掲載されて以降、巷での評価が逆転した感がありますが、以前は本作の方がサバービア掲載盤として人気の高い作品でした。ちょうど一昨年末から昨年の今ごろにかけ、Creole Stream Musicからどちらも相次いで再発されたので、おそらく手にした方も多いことでしょう。僕自身もリイシューがきっかけで改めて両者を聴き比べてみましたが、個人的にはやはりこの1stの方が好みという結論に達しました。たしかにアーバンメロウというキーワードで捉えるなら2ndの方が適しているのは明白ですが、あちらはどこを切り取っても同じ金太郎飴のような作品なので、正直聴いていてあまり耳を惹く曲がないんですよね。おまけにアーバンメロウ路線と言い切るには、いまいち垢抜け切れていないヴォーカルもマイナスポイント。そう言った意味でソフトなアコースティック・ソウル路線の本作の方が、彼らの魅力を存分に味わうことの出来る一枚かと思います。もうA-1のEverybodys Tryingから伸びやかなミディアムナンバーで気持ちよさ全開。同系統で聴かせるA-3のFever PitchやB-2のOur Love Will Lastもなかなかです。世間的には「西海岸」「白黒混合バンド」という2つのキーワードから半ば脊髄反射的にAORバンドと位置づけされているようですが、全体を覆うマットな質感含め、もう少しストレートにブラック・ミュージックをやっているので、そのあたりが気になる人は要注意。どちらかと言うと、70年代の黒人バンドがちょっとロック~ポップスを齧ってみたというイメージの方が近いサウンドです。そういう意味では非常にフリーソウル的。あの当時求められていた音そのものなので、サバービア誌に掲載されたのも頷けます。なお気になる入手難易度は、1stに関してのみ言うなら中の上あたりというところ。ジャケ違いのプレスもあるし、それほど強烈にレアというわけでもないと思います。おまけにアメリカ以外でもリリースされていたようで、僕が持っているのはなぜかブラジル盤。もっともさらに他の国でもリリースされているのかどうかは分かりませんが。。。ちなみに実はCDリイシューから遡ること数ヶ月前にitunesにもアップされているので、興味のある方はまずはそちらでチェックしてみてもいいかもしれません。

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