ブラジル産ピアノ・トリオの頂点。レア・グルーヴ周辺では古くから人気のあるリオ65・トリオの1stアルバムです。白いジャケットのブラジル盤(オリジナル)が良く知られていますが、僕が持っているのはなんと別ジャケ仕様の日本盤。リリース年が記載されていないため詳細は分かりませんが、ジャケットの作りから察するにおそらく70年代前半辺りに製作されたものかと思われます。セルメンらによる当時のボサノバ・ブームにあやかって国内盤が作られたのでしょう。売れたのかどうかは全く分かりませんが…。ちなみにジャケットにはボサノバ・ブラジリア・シリーズ⑧と記載されています。さて、推測はこのくらいにして肝心の中身の話に移りましょう。知っている人には説明不要ですが、このグループはドラマーのエディソン・マシャードを中心に結成されたピアノ・トリオ。同じようなグループが多く存在するこの時期のブラジルで、人気・知名度・内容のどれもがアタマ一つ飛び抜けているのが彼らです。後のムジカノッサ・ムーヴメントの中でフランクリンもカヴァーしていたA-2のMeu Fraco É Café Forte(濃いコーヒーを)はこちらがオリジナル。叩きつけるようなサルバドールの超高速ピアノが素晴らしい、スリリングなジャズ・サンバです。同系統としてはB-3のTim Dó(悲しみのとき)も良い感じですね。こちらでもやはりサルバドールの妙技が光ります。正統派ジャズ・ボサのB-2、Mau Mauはこれからの季節にぴったりなサニー・サイドの名演。ミルトン・バナナが好きな人とかはツボなのではないでしょうか。ただ、個人的に最も気に入っているのは冒頭A-1のDesafinado。まるでヨーロッパのピアノ・トリオのような非常に洗練されたアレンジが最高です。とにかく全編に渡って音楽IQはかなり高め。廃盤になってしまいましたがCDも出ているので、未聴の方は是非聴いてみてください。ちなみにオリジナルのアナログはブラジル盤という性質上、たいていジャケ/盤ともに汚いものが多いです。僕が持っているのは日本盤なので綺麗ですが、下手に汚いオリジナルに高額を払うならCDを買ったほうが正解かもしれません。
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出せだせと言っていた仕掛け人は、ひょっとしたら大島守さんあたりかも。
CDは、セカンドともあっという間に廃盤になったみたいです。ブラジル国内ではまったく売れませんから、輸出向けに少しプレスされただけです。