仏RCAレーベルに残された幻の一枚。サバービア掲載で有名なベルギー出身のシンガー・ソング・ライターPaul Loukaによる80年のLPです。このアルバム以外にも何枚かリリースされていますし、当時はそこそこヒットしていたと思われるのですが、とにかくこのLPはメジャー・レーベルかつ制作年代新しめなのにも関わらず、市場にめったに姿を現さない盤として知られていますね。また、同時にオシャレ系のDJ達が今でも血眼になって探している盤でもあります。人気の秘密はA-1のJe Suis VenuとB-2のMon Requin A Moiという2曲のフレンチ・ボッサ。それぞれ別タイプながらこの2曲は本当に素晴らしすぎる名曲中の名曲です。まずはA-1のJe Suis Venu、軽快なラテン・パーカッションとギター・カッティング、それから丸みを帯びたフルートに導かれた至福の2分半。他の追随を許さずにカフェ系ボサノヴァの最高峰に君臨するのは紛れもなくこの曲でしょう。ちょっと言葉では言い表せないほど素晴らしい作品です。そしてB-2のMon Requin A Moiはこれとは正反対の哀愁を帯びたしっとり系ミディアム・ボッサ。とは言えリズムはしっかりと打ってるので、クラブでのプレイももちろん可能です。こちらはとにかくピアノの音色が優雅かつ甘美なオシャレ・サウンドの金字塔。言葉で言うのは簡単ですが、本当にこの素晴らしさは聴いてもらわなければ体験出来ないと思います。値段うんぬんではなくとにかくほとんど出てこない一枚なので、見つけたら即ゲットしてください。心から最高と断言できます。
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