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フィラデルフィア出身のCCM系シンガーソングライターによる1982年のアルバム。CCM畑の人ということもあり、日本ではあまり取り上げられているところを見たことありませんが、音楽活動を開始した70年代中盤~現在にかけて実に24枚もの作品を残す多作の人で、本作は彼の7作目にあたります。基本的にはCCMにありがちな優しい白人男性ボーカルものと言った雰囲気ですが、時代がらAOR寄りな楽曲が幾つか収録されており、AORファンにとっても楽しめる一枚。雲を突き抜けるかのような爽快感が気持ちいいB-2のThere Is Power、産業ロック風の演奏で聴かせるA-3のWorkin' Out The Details、山下達郎を思わせるアップテンポなB-4のYou Are The One辺りはそうした観点で聴いても普通に問題なくイケるかと思います。ポップな曲であってもメロディーラインはあくまで優しいというCCM特有の音作りが、いわゆるライトメロウ系のサウンドを好む人にとってはツボかと。おまけにこのスコット・ウェズリー・ブラウンの場合、曲だけではなく声もいわゆるAOR声のため、その点でもポイントが高いです。そして、そんな彼の魅力がもっとも詰まっているのがA-1のWithin His Joy。ジム・シュミットも取り上げていた曲ですが、こちらの演奏はそのジム・シュミット版よりも遥かにAORしていて、フリーソウル受けが良さそうな仕上がりになっています。爽やかな朝を感じさせる冒頭のシンセの音、心地よく跳ねたリズム、優男風の甘いヴォーカルに中盤の都会的なギターソロと、最初から最後まで完璧な一曲。ブルース・ヒバードのNever Turnin' Backが好きな人ならハマること間違いないなしでしょう。残念ながらCDでのリリースはないようですが、アナログなら安く手に入れることが出来ると思うので、気になる人は是非。ギターのイラストが描かれたジャケットの雰囲気も良いし、個人的には非常にお勧めの一枚です。
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