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【武田薬、外資の巨額買収で3.4兆円も負債増!】いまは外資買い厳禁の「巣ごもり」期間のはずでは①

2018-05-11 00:02:06 | 日本

 以前の記事で「外資の巨額買収はNGだ、とくにいまは」って警告しておいたのに・・・って、これが大きなお世話の杞憂に終わればいいのだけれど・・・

 武田薬品工業がアイルランドの製薬会社シャイアー(Shire)の買収に合意したと発表しました。買収総額は460億ポンド(現時点のレートで6.8兆円あまり)と、日本企業によるM&Aとしては圧倒的な史上最高額(汗)。あとは両社ともに株主の了解を待つばかり、とのことですが・・・

 ・・・あくまで個人的な感覚ですが・・・このM&A、武田にとって二重の意味で「高値掴み」のおそれが大きいものに思えます。

 1つ目は、本件が世界的な株高局面での大型買収になること。本ブログで何度も言及しているように、おそらくピークは過ぎたとみられるものの(?)、いまのマーケットが引き続き株バブルのなかにあるのは疑いのないところ。シャイアーの株価および時価総額も同様で、適正価格から上振れているものと思われます。同社株(米NASDAQ上場分)の今月7日終値時点でのPERは約34倍、PBRは約4倍と、いずれも常識的には手出し無用といえる水準(?)。まあ本買収交渉が表沙汰になった3月末以降だけで2割ほども上昇していますが、それを差し引いてもシャイアー株が現在、かなりの高値に達している印象を受けます。

 2つ目は、為替レートが相当な円安ポンド高になっていること。これまたしつこく指摘しているとおり、「アベノミクス」(≒円安誘導)にともなって、実質実効ベースで円が対ドルで2割以上も安い状況がここ何年も続いています。英ポンドも、アベノミクス開始直前(2012年秋~冬)の1ポンド120円台が、いまは同150円ほどと、同じく2割ほどポンド高、つまり本邦企業がポンド建て資産を買うのにアベノミクス後は2割も余計に円貨を支払わなくてはならなくなっています。

 本M&Aにあたって武田はシャイアーに対し、現金30.33ドルと新株発行を合わせて149.01ポンドでの買収を提案しています。当初案では前者がもっと少なかったそうですが、シャイアー側がキャッシュ支払い部分を増やせと要求したので、こうなったもよう。ということで武田はこのタイミングで、つまり1ポンド約150円というポンド高の局面で巨額の現ナマを用意しなくてはならなくなりました。これに関連して同社は本邦メガバンク等と総額308.5億ドルものつなぎ融資契約を締結したそうですが・・・こんな大借金、ホントに返済できるのか?

 以上の2点―――株高&ポンド高(アベノミクス円安)―――でメッチャかさ上げされた(?)買値をこなして武田がこのM&Aで利益を得るのは至難の業(?)なのではないでしょうか。むしろ3.4兆円もの負債の増加で資金繰りが悪化し・・・といったあたりが悲観視されているようで、武田の株価は2月初旬の直近高値から約3割も下落していますが・・・

(続く)

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