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【新鋭英空母「Q.エリザベス」早速浸水トラブル!】「空母」で沈む?英国と中国①

2018-01-03 00:01:42 | ヨーロッパ

 以前ならば国を守る最強兵器だったのでしょうが、現代ではむしろ、かの国々を傾ける存在にしかならないような・・・?

 昨年12月初旬、英国では最新鋭の航空母艦(空母)「クイーン・エリザベス」が就航しましたWikipediaなどによればこの空母、排水量6.5万トンと、非原子力ではあるものの同国史上最大の軍艦であり、多数の戦闘機やヘリコプターを搭載できるという強力なもの。したがって一般的な解釈では、これによって英国の国防力は大幅に向上した、といった感じになるのでしょうが・・・

 個人的に驚かされるのは、本空母の先端装備などより、約31億ポンドというその建造費の巨大さ。円換算額で約4700億円(1ポンド約152円)ですから、日本では大型の原子炉1基が楽勝で作れるほどの金額です。そのうえ・・・原発みたいにコスト以上に収益をもたらしてくれるのならいいのだけれど、この超高額の空母、絶対と言ってよいほど、収支トントンとなる31億ポンドもの稼ぎを英国にもたらしてはくれないはず。つまり英国民にとっては当該空母の建造で金銭的な負担が増えるばかり・・・

 「そんなことはない、本空母は建造費では測れない利益を英国にもたらしてくれるのだ」―――そうでしょうかね。空母が自国から遠く離れたエリアをその艦載機で攻撃するための船であることを考えたとき、いまの英国に巨費を投じてまでこれを持つ必然性があるとは思えないわけです。まあ英国にはジブラルタルとかフォークランド(マルビナス)諸島みたいに、他国と領有権を争うような、つまり外国に(あくまでも英国から見て)奪われるおそれのある(?)海外領土を保有してはいます。でも世界の現状を考えると、これらが一方的かつ軍事的に侵略されるリスクは高くはない、多めに見積もっても空母を持つほどではない、といったあたりが総合的な判断になるような気がしますが・・・(?)

 この空母を含め、英国は軍事面にかけるおカネが巨額です。2016年の軍事費は483億ドルと、461億ドルの日本を上回っています。同年のGDPは日本が4.9兆ドル、英国は約2.6兆ドルですから、英国はGDP比で2%近く(約1.8%)と、日本(約0.9%)のおよそ倍もの軍事的な支出をしている・・・分だけ、社会保障とか公共事業といった民生面での行政サービスを断念していることになります。いまのご時世―――武力で領土を奪取することが国際的にそうは許されないご時世、どちらが国を強くするのか?って、明らかだと思いますが・・・

 結局、英国は過去へのノスタルジーをぬぐえなかったということなのでしょう。空母名「クイーン・エリザベス」とは、英国(イングランド)軍がスペインの「無敵艦隊」を破ったとき(16世紀)のイングランド王であった「エリザベス女王」のことですからね。経済的合理性よりも、そんな「英国の栄光よ、もう一度」的なナイーヴな感情を優先させた結果、英国はまた一歩、厳しい方向へ踏み出した―――同空母が就役直後から被っている浸水トラブルに、英国のそんな先行きが暗示されているように思えてなりません。

(続く)

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