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【米の経常収支にプラス貢献する所得収支黒字】アメリカ様の一方的な評価に見える鋭い分析⑤

2018-04-23 00:00:23 | アメリカ

前回からの続き)

 ところで、本稿で綴っている米財務省の為替報告書は、日本などの貿易相手国の他にアメリカ自身の国際収支等についても解説しています。そこで個人的に注目したのが同国の所得収支黒字と原油を除いた貿易収支の状況です。

 前者の所得収支ですが、アメリカはここ数年以上にわたって黒字をキープしています。同報告書によると同黒字額は毎年、同国GDPの1%近くに及び、逆に45%に達する貿易赤字をかなり埋め、トータルの経常赤字を同2.5%前後に留めることに貢献しています。このことから分かるとおり、アメリカは日本と同様、外国での投資で相当に稼いでいるといえます。実際、アップルやGMといった米大手企業は世界各地(とくに中国?)に展開したりおカネを貸し付けているわけですからね・・・

 もっとも、だからこそ米本土での働き口が減っているとして、現ドナルド・トランプ政権はこれらにアメリカに戻ってくるよう促しているみたいですが、うまくいくのかどうか・・・。こうして米企業は国外で得た利益の多くをアメリカ(の、おもに投資家?)にもたらしているわけですから。このあたり上手にやらないと、せっかくの上記構造が崩れ、アメリカの国際収支がいっそう悪化する事態にもなりかねないと思いますが・・・

 もうひとつの注目が、アメリカの原油貿易の赤字が大きく減っていること。同赤字額は2017年の下半期でGDPの0.2%と、ここ数十年で最低レベルに減っていることです。これはいうまでもなく同国内のシェールオイル&ガスの大量生産および2014年以降の原油価格下落によるもの。いっぽうで原油を除いたモノの貿易赤字額(non-oil goods deficit)の対GDP比率はじりじりと上昇し、昨年第4四半期時点で同4%と歴史的な高水準になっているとのこと。これはこの間の旺盛な国内需要で輸入が喚起されたのに対し、貿易相手国のほうはここ数年、アメリカほど景況がよくなかったので輸出が弱かったこと、さらに2014年から2017年にかけてドルが高かったことが影響したため、としています。

 おそらくこのアメリカの上記需要≒個人消費は今年以降、弱くなっていくでしょう(?)。これを支えた資産バブルが縮小(というか崩壊?)過程に入ったからです。これと並行してじわじわと上がっている金利も車や住宅などのマーケットに冷や水を浴びせるはずです。そしてこれらを嫌気したマネーがアメリカから抜けることでドル安になるいっぽう、すでにメイドインUSAの多くは輸出競争力を失っているために貿易赤字はさらに拡大し、これでドル安&金利高が止まらなくなって・・・なんて負のスパイラルにアメリカが堕ちていくおそれが・・・かなり高いような・・・(?)

(続く)

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