(前回からの続き)
敵対する相手に対しては、武力戦よりもはるかに効率的な金融戦を仕掛けるべきである―――先述のとおり、これが現在のアメリカの国際戦略における基本コンセプトだろうと推測しています。そしてこれはアメリカの同盟国である日本にとってもありがたい面があると考えています。
まず、アメリカがリアルな戦争に踏み出すおそれが減るので、わが国としてもこれに参戦して多くの人命や資産を失うリスクが低下するということ。もっともこれは、わが国がアメリカの戦争に巻き込まれることがありませんように、という個人的な願いがかなり入った見方ですが・・・
そして、アメリカの金融戦・・・の「実弾」である「ドル」が「円」よりも弱い通貨であるということ。つまり、円はドルを含む世界の主要通貨のなかでもっとも強いため、アメリカが引き起こすマネー戦争でドルが他通貨に対して上がっても円はそれ以上に上昇するので、国際経済が動揺しても日本に不可欠な輸入原材料の円建て価格の暴騰は回避することができる、といったようなことです。その一方、アメリカの敵国(?)は通貨暴落にともなう激しいインフレで経済が破壊され、政治や社会が大混乱に陥り、ついに起こるクーデター(?)で・・・親米政権が誕生する(?)、といった具合です。
このあたりは本ブログでシツコク書いている「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質利回りの高い順)のとおりです。要するに、ドルより下位のロシア・ルーブルや中国の人民元は・・・しょせんドルよりは「弱い」、そして円よりも「ずーっと弱い」通貨だということ(巨大な外貨準備などから判断して、中国には人民元をドルより強い通貨にすることができる可能性はある[あった]が、こちらの記事等に書いたようなことから、どうやらそれは無理そうですね)・・・。いまのこの世の中―――マネーがすべて(?)の世の中―――で、この不等式中の弱いほうが強いほうに勝つ、なんてありえないわけで・・・
・・・なんて書くと・・・「円>ドル」ということは・・・そう、アメリカのプライドが傷つくから大きな声では言えないけれど、本当のところ世界で唯一、日本だけはアメリカよりも強いんです(!?)。もちろんそれは軍事力ではなく、現在の国際社会における「強さ」の基準たるマネーの面で。だからこそ、わが国はアメリカを支えることができる・・・って、そのための演出―――無理に「ドル>円」にすること―――にともなう痛みに国民の大半は苦しんでいるわけですが・・・
そのへんをいいかげんアメリカ様にはお分りいただきたいと思いますね~。わが国こそがアメリカにとって真の意味での同盟国であることを。もちろん日本も「日米安保は不公平だ!」なんて声に引け目を感じる必要はありませんよ、この国がどれほどアメリカに貢献(?)しているか(アメリカの金利上昇を食い止めているか)を想えば・・・
(「アメリカはもう戦争ができない?」おわり)
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