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【米政策金利が年5%超なのに金のドル建て価格も高止まり…】金価格1グラム1万円を超えたことの意味②

2023-09-03 14:20:54 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前述したように、わが国ではゴールド)の小売価格が史上初めて1グラム当たり1万円を超えるほどに高騰しているわけですが、その主因は(ガソリン代電気代の高騰と同じく金融政策的な円安ドル高にあるわけです。であれば、金の国際価格つまりドル建て価格の方は円価格と比べたら値動きは大したことはないのだろう、と思いがちでしょう・・・

 が、けっしてそうではありません。それどころか、下述からすれば、ドル建て価格もまた、異様に?高い、というべきでしょう。たしかに、いまの金価格は1トロイオンス当たり1,900ドル台半ば(NY先物1日終値約1,940ドル)と、2020年夏の史上最高額(当時約2,069ドル)からは6%あまり低い水準にあります。しかし、この両方の価格を、とある経済指標の観点から比較すると、現在のそのプライスは相当に安い水準・・・になっているはず(べき)なのに、たったその程度の値下がりにとどまっている、ようするに金価格は当時からの高止まり状態を維持している、というべきことが分かるというものです。でその指標とは・・・かの国の「金利」です。

 一般的に、金はブツ(実物資産)として金利を生まないから、金利が低いとき(インフレ時)はその価格が上昇し、高いとき(デフレ時)は下がる、と解釈されます。となれば、そのドル建て価格は・・・とくにこの1年あまりでは、もっとずっと下がっていなくてはなりません。というのも、ご存じのようにこの間、米FRBが金融引き締めつまり利上げを続けてきたからです。具体的にはFRBは、昨年3月、2018年12月以来3年3か月ぶりに利上げを開始(政策金利の誘導レンジを年0.25~0.5%と0.25%引き上げ)して以降ここまで同スタンスを継続して、現在の同レンジは5.25~5.5%と、じつに22年ぶりの「高金利」に導いています。ならば、ドル預金(≒米国債投資)のほうが利息が多く得られる分、有利だ、となって、(名目)金利ゼロ%の金はFRBに利上げされるたびに売られて値下がり、となるのが自然なはず・・・

 ところが実際は上記のとおり、金価格は高止まりしているわけです。事実、FRBがゼロから0.25%へと政策金利を引き上げたタイミングでの金価格は1トロイオンス当たり1,955ドル前後(2022年3月末)と、同5%を超えている現時点のそれ(1,940ドル)とほとんど同じとなっています。そのあたりから、やはり金価格は異様に高い・・・って(円建て価格は円安だから分かるけれど)高金利通貨のドル建てでも、といえるでしょう・・・

 では、どうしてドル建て金価格もまた高いのか、ですが、そこは前回書いたとおり、そして古の昔から認知されてきたように、金が究極のインフレヘッジとなる点から簡単に理解できるところです。つまり・・・マーケットは金のホールドで備えている・・・って米インフレ再高進つまりドルの価値劣化のいっそうの進行(≒FRBの金融引き締め路線の頓挫)に、ってことでしょうね・・・

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