(前回からの続き)
安倍政権以降「報道の自由度ランキング」が急落し、国連の報告書が懸念を表明することなどからも推察できるように、近ごろ、日本政府の関係者らが本邦メディアへの締め付けを強めている様子が窺えるわけですが、これ、安倍「首相」ら・・・もたしかにやっている(?)のでしょうが、真に強くプレッシャーをかけているのは、中国支配層の役職名を拝借して擬人化するなら、首相よりも格上の・・・円安「国家主席」だと考えると分かりやすいかと思います。
実際、安倍政権の政策「アベノミクス」のたった一つの前提は円安主席の礼賛といえます。それは専制国家のメディアが自国の絶対君主を崇め奉るのと同じようなもの。なので1ドル120円、同150円・・・と円安が進めば進むほど偉大なる円安主席様となります。逆に1ドル80円、同50円・・・と円高になれば、上記前提が崩壊するからアベノミクス(=円安主席の政策)は失敗ということに。このときは安倍氏らが円安主席に恥をかかせることになる(?)から、本邦メディアは一転、安倍政権に対してネガティブな報道姿勢を取るでしょう。なぜなら上記のように「円安氏>安倍氏」であって、そもそもTVや新聞がヨイショしているのは安倍氏ではなく円安氏のほうだからです・・・???
政府のトップ層のみならず本邦メディア(&経済界・経済学会などなど)がこのように円安主席をこぞって持ち上げるのと同じように、「アベノミクス=円安主席礼賛」を実質的にリードする日銀・・・の黒田総裁以下のすべての政策委員会メンバー(金融政策の決定権限者)もまた基本的に「円安主席派」といえます(以前はわずかながら「反主席派」がいらっしゃったとみていますが、2017年7月以降は「オール主席派」のようですね?)。上記のように、現在の日銀の政策(異次元緩和≒アベノミクス)の唯一のねらいは円安誘導であり、実際に直近の同会合ではほぼ全員が現行政策(円安主席のご意向?)の維持に賛成しているわけです。まあ中には反対票を投じている方もいらっしゃいますが、その方は金融緩和が足りない、もっと円安にしろ!という意味でそうしているみたい?だから、じつはもっとも熱烈な主席派といってもいいでしょう・・・
このあたり、国会も似たようなものです。上記メンバーは、日銀トップを含めて国会の同意を経て就任するわけですが、上記の円安主席派の選任にあたっては与野党から大きな反対もなかったし、「反主席派」を出すよう政府に訴える動きもまったくありませんでしたからね。であれば---国会が何らのチェックをしなければ---円安主席の忠実なしもべである安倍政権が意図的に?チョイスした主席派が上記のような円安独裁を築くのは当然でしょう・・・
そしてアベノミクスの評価についても同じです。国会議席の過半数を占める自公両党は当然、円安主席派であり、与党と対決する立場の野党も・・・まあ安倍政権に関してモリカケとか統計粉飾とか閣僚の失言などに関して批判等はするものの、上記委員をサクッと承認していることからも分かるとおり、円安主席には黙して従う姿勢を見せています・・・?
かくして、日本の円安主席の地位は安泰&アンタッチャブルで、同じ主席でもある中国の習近平氏がうらやむくらいに(?)盤石、といった感じです・・・