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【中国はインフレヘッジの金をしこたま抱えたままインフレで沈んでいく運命?】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点③

2024-04-27 12:27:34 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前述のように、中国は、ドルのいっそうのインフレ化のヘッジに向けて、この瞬間もゴールド)の保有量を増やしているものと推測されます。これは、たいへん合「利」的で、うらやましいくらいです・・・が、ドルをはるかに上回る価値(≒高い実質金利)のある金だからこそ、中国はそれを手放せなくなる、というジレンマに陥るでしょう。

 具体的には、かの国の中央銀行である中国人民銀行が、経済がインフレ傾向になったときに、金融引き締め、つまり過剰流動性を吸収するための「売りオペ」等をし難くなってしまう、といったこと。このあたり人民銀は、そのB/S上のメイン資産である「国外資産」(総資産に占める割合は6割程度らしい)―――ドル・米国債・ユーロ等―――の市場取引によって金融政策を運営しているわけですが、今後、ドル等を減らして金をメインとする資産構成にしていくのなら、同行は、景気過熱時(インフレ高進時)、その金を市中に放出して「人民元」を回収することでインフレ抑止を図ることになります・・・って理屈の上では。しかし、それ現実にはできないはず。上記のように、かの国にとっては、金が(実質利回りがもっとも高い資産として)あまりに貴重なものだから、これをひとたびリリースしてしまったら、同行を含めた中国政府はもう二度とこれを買い戻すことができなくなる(しかも、その多くは、当局の接収等を恐れて中国の国外に流出してしまうだろう)・・・から放出はよそう、と判断するだろうからです。したがって人民銀は結局、これまでどおり、ドル・・・か、せいぜいユーロの売買で金融調整を図る以外にない、という次第で、人民元は現在と同じくこれからも「疑似ドル」(ドルペッグされた通貨)程度の地位・価値に留まるしかないでしょう。

 もっとも、この間も中国は金準備の増強を続け、そして金のドル建て価格も(多少の上下動はしつつも)上がり続ける(しかない)でしょうから、(前述のように現在は4%程度の?)中国の外貨準備に占める金の割合(≒人民銀のB/Sに占める金の割合)もまた、今後、どんどん高まっていくでしょう。しかし、上記から、これ文字どおり「宝の持ち腐れ」・・・って、売買ができない以上、人民元は、その価値や信認が金で裏付けられることがないために・・・ドルに比例するかたちでインフレ通貨化していくわけで・・・

 かくして中国は・・・「インフレ」ヘッジ資産の金をしこたま「死蔵」したまま、その「インフレ」の制御に失敗して、経済混迷の度合いを深めていく・・・のでしょうね、皮肉なことに・・・

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