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【金ドル建て価格が高止まりなのは米不動産価格が上がるしかないから…】金価格1グラム1万円を超えたことの意味③

2023-09-05 19:58:41 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前述したように、アメリカでは、FRBによる金融引き締め(利上げ)が進められてきたにもかかわらず、(名目上の)金利がゼロ%のゴールド)の価格は、政策金利が5%を超えるほどの高金利状態の現時点で、利上げ開始直前(当然、同ゼロ%)のそれとほぼ同じ、それも高止まりといえるレベル、つまり史上最高額からわずか6%ほどしか下がっていない水準(1トロイオンス当たり1,900ドル台半ば)に踏みとどまっています。ということは・・・これほど利上げされたにもかかわらず投資家の多くは引き続きアメリカのインフレ高進(ドル価値暴落)リスクを警戒し、そのヘッジとして金をキープしている、とみるべきなのでしょう。

 他方、その米インフレ・・・に大きく寄与する国際商品である原油と小麦の価格ですが、FRBの利上げ再開月である2022年3月から直近(今年7月)までの間に、まるで示し合わせたかのように、いずれも3割ほども下がっています(原油:1バレル当たり108.5ドル[月平均額、WTI]→同76.4ドル、小麦:1トン当たり486ドル→346ドル)。そこは、上記利上げで短期金利も上昇したため、金利を生まない原油や小麦といった商品への投資妙味が低下したことの反映とみるべきでしょう(・・・って、その要因がロシアのウクライナ侵攻なんぞではないことも、この瞬間、出口が見えない両国の戦況をみればはっきりと分かりますね)。となれば、商品仲間の金も一緒に3割減価していてもおかしくはないはず・・・ですが、実際は「高止まり」となったわけです、上記を理由として。

 では、何が投資家に米インフレ再点火を予感させているのでしょう。原油(≒ガソリン代)も小麦(≒パン代)もこうして大きく値下がりしたのだから、その懸念はむしろ遠のいた、という見方もできそうなのに?・・・

 ・・・って、簡単です。リスク資産の額とりわけ不動産価格が下がらない、いや下げられない、いやいや上げる以外にない、ためです、アメリカでは、もはや。実際、上記期間の不動産価格(ケース・シラー値、2000年1月:100)は、2022年3月の295.1から今年6月(FRBの政策金利が5%超の時点)には308.254(同)と、何と1年ちょっとで4.5%ほども上昇!?しています・・・ってこのわずかの間で米政策金利は5%も引き上げられたのにもかかわらず、です。もっとも、上記期間においては金利上昇の影響で米不動産価格はいったん下がった・・・ものの、やはり何かと無茶なことが皆分かったので?年初以降、急上昇に転じ、上記6月値は1年前の史上最高値(308.323、2022年6月)にほぼ並び・・・といった、FRBが金融を引き締める(本来なら不動産価格に下押しの圧力がかかる)のと真逆な展開・・・

 ・・・となれば、そりゃ金の価値は高まる(悪くても、原油先物などを上回る利回りをもたらす)しかありませんね、利上げをものともせず・・って、こうして米不動産がインフレをけん引する(しかない)わけだから・・・

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