(前回からの続き)
前述したことから、この国は「誰が総理大臣になっても変わらない」わけです。そのあたりに関連し、2日、石破総理大臣は日銀の植田総裁との会談後の会見で(金融政策の決定は日銀の専管事項と認識しつつも)「個人的には追加利上げの環境にはない」との見解を示した(TBS)との由。やはりそのとおりだったでしょう?つまり、先記の理由から、新首相もまた岸田前首相と同様、政府(官僚機構)の方針(に基づく日銀の現行金融政策「円安誘導」)を肯定するしかない、ということです。ホントこの点は石破氏の次もその次も、たとえ自民党以外の政党の党首が首相になっても変わらない(変わりようがない)でしょう・・・
ちなみに、上記の首相発言を受け、その前後で為替レートは一気に3円ほども円安ドル高に振れました(3日の日中に1ドル147円台)。であれば電気代やガソリン代などの円安原材料インフレがそれだけ激しくなりかねないわけですよ。にもかかわらず誰もこれに「NG!」どころか「?」すら示さ(示せ)ない・・・のは、それが本邦政府&日銀政策の意向に反する、はっきりいえばその「本当の目的」であるアメリカ・ドルの下支え支援(≒金利差を米>日にすることでマネーがアメリカに流れるようにする[アメリカから流出していかないようにする]こと)の達成を危うくするから、ですよね・・・(?)
さて、そんな「変わらない」日本ですが、それでも「変わらない」ことなんてあり得ない・・・って、やはり変わらざるを得ない、となるでしょう。それは、誰が総理大臣・・・ならぬ大統領になっても変わらないから・・・って、アメリカが、です。
この点、最近ではこちらの記事を含めて何度も書いているように、かの国はもはやインフレ依存からの脱却ができない・・・という点を誰が大統領でも変えることができないから、それが必然的にもたらすであろう次の事態もまた防ぎようがない、といったことになります。つまり・・・インフレへの依存とは同激化であり、それはドルのいっそうの劣化を促す(実質マイナス金利幅のいっそうの拡大)と同時に、それまでドルに蓄えられていた価値の他の資産への大規模かつ逃避的な移転(同資産のドル換算額の急上昇)を喚起することになります。でここでドル価値の移し先としての資産とは、具体的には不動産や株や商品先物そして金(ゴールド)などのほか、アメリカからみた外貨も含まれてきます。であればユーロや英ポンドが考えられますが、これらはいずれもドルと同様のインフレ通貨だからドルに替えて保有すべき理由が乏しい・・・となって、現実的な選択肢として残るは・・・日本「円」だけ、といっていいでしょう・・・
こうして、ドルの価値の多くは円に移されていく・・・ことで、どのみち円高にならざるを得ないだろう、と考える次第です。そこは上記のとおりで、「誰が大統領になっても変わらない」し「誰が総理大臣になっても変わらない」ところと思います。