庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

脱原発の実行には政治的信念が必須。自民、民主とも?

2012-11-27 | 核エネルギー・原子力問題
原発への取り組みを曖昧にした「太陽と維新の合併」は、脱原発への後退と見做されて、「即時ゼロや10年以内にゼロ」を主張するグループからは失望されて、新たな「第四極」勢力を結集する流れとなっている。
しかし、自民党が3年間は『安全性第一主義』で「原発の基準や適合性を専門家集団に任せて口を出さない」、と公約した。
つまり3年間は再稼働ゼロを約束したのと同じ公約である。

民主党は1年も経たずに消費税増税を言いだして、公約違反を公然と始めて実行したから、「自民党が公約破り体質は明らかだ!」と信用されないのだ。

これでは、政権公約による選挙は、無意味になってしまうが、現実はどうなるにしても、一応、「公約を前提にして論争をすすめる」しかない。
1年~2年かけて「安全性に関する基準と対策」を実行できたとして、その先の議論を進めてみよう。

それまでに、「使用済み核燃料」の処分方法は、政府で決定できるであろうか。
経済産業省の内部の検討でも「プルトニウムを取り出す再処理路線」は、技術的にも未完成であり、直接処分よりも大幅にコストが高い。
だから、青森県の六カ所村の「再処理工場の完成」を諦めて、最終処理路線を『直接処分』に転換するべきだ、との議論が主流になっている。

自民党の世襲族議員は、霞ヶ関官僚が決めてくれなければ、何もできない政治能力であるから、「安全基準のハードル」を越えたあと、【使用済み核燃料の行き場をどうするか】で、迷走状態に陥る。
「官僚主導主義政権」では、原子力推進は霞ヶ関の意向次第になるのだ。

この事実を明確にして「マスメディア」で、本格的な議論を巻き起こせば、原発の再稼働の是非について、世論がすんなりと賛成する状態にはならない。
しかも、世界で最も危険な放射性物質「プルトニウム」を、燃料に使う「再処理路線を維持」したままの原子力政策は、全く信認されないだろう。

民主党が2030年代に原発ゼロの方針を打ち出しながら、閣議決定が出来なかった大きな理由は、この【使用済み核燃料の処分方法】(バックエンド処理)を決められないで、官僚からつき放されたからである。
政権与党の座を離れれば、この重大な決断から逃げることが出来る。
「決断の民主党」は、決断出来ない体質なので、与党から離れることを決断したのである。

『脱原発スローガン』の政党は、この問題は合意しているのか。