庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

民主党政権の残した成果を後世が評価する挽回策は・?

2012-11-14 | 国創り政治問題
野田内閣がなすべきことは、自公政権が主張して来た「消費税の増税」ではなかった筈だ。
なにを血迷ったか、財務大臣を務めている間に、財務官僚の洗脳を受けて増税が先行することが必要と信じ込んでしまった。
他に先行すべき公約が多数あったのに、消費税増税路線に政治生命を懸けると宣言して、絶対多数の勢力を分裂させてしまい、今や過半数割れ目前だ。
決められない政治を言うなら、多数派を作れない能力不足を反省すべきである。

管内閣にも多大の責任があり、「消費税増税の議論を始めたい」と口走ったために参議院選挙で過半数割れを引き起こし、ねじれ国会の迷走原因を生みだした。
おまけに、不勉強なままに、「TPP参加論議」を宣言し、「平成の開国だ!」などと、中身も判らない貿易依存に傾注してしまった。
おかげで、内需の活性化によるデフレ経済脱却の芽をつぶしてしまった。
やることすべてがマイナスであったが、3・11の災害以後は、原発大事故の危機対応に奮闘して、脱原発依存への転換に動き出して評価を挽回した。
さらに、[FIT]を成立させて「快適エネルギー社会」への扉を開いた功績によって、名誉挽回と言える成果を残したのである。

では、野田首相の失策続きの政治手腕に対して、最後の粘り腰で何を実現することが、「名誉挽回策」になるのだろうか。
「TPP交渉参加」が、民主党の分裂を加速することは間違いない。
「行政改革の実行」は、お題目だけの【取り繕い改革】に留まる段階では、政治的な成果を産めるとは、誰も評価しないだろう。
『歳入庁を創設する』制度改革は、財務省の抵抗で一向に進んでいないが、起死回生の一策として、野田首相が命がけでやればできる筈なのだが・・・。

今頃になって、無駄使い削減の象徴である「議員定数の削減」を、持ち出して解散先送りの戦術に使いだしている。
自公の主張する【0増5減】などは、国民は全く評価に値しないと見ている。
この程度で妥協して解散したら、民主党は半減以下に低落するだろう。
国民は、「解散を早くする」よりも、『議員定数の80削減』を公約した「民主党の政権続行」を支持するだろう。
でも、すでに「削減数は40に妥協」して、国民の期待を半分裏切っている。

もうどうやっても、野田政権の名誉挽回策は、不可能なところまで落ちている。

民主党の政権交代公約の成果をアピールできる[FIT]

2012-11-13 | 快適エネルギー社会問題
民主党政権で経済の活性化に大きく貢献した政策が、再生可能エネルギー電力の買い取り制度(通称FIT)である。
この制度については、ブログで何度も書いてきたが、その成果については誰しも認めるところで、自民党政権だったら実施できなかったであろう。
菅内閣の時に3.11の午前中に閣議決定して、菅首相の最後の仕事として、2011年8月26日に成立した。
その後の具体的な買取り価格を経済産業省から独立した委員会で審議し、2012年7月1日から、施行された。

計画よりも3カ月遅れのスタートであったが、この[FIT]が始まると、まず「太陽光発電のメガソーラー」の建設計画ラッシュが始まった。
また、頭打ち傾向にあった風力発電の計画の拡大が検討され始めて、各地で建設投資の動きが活発化している。
原発や大型火力発電所と違って、計画から発電開始まで、1年~2年程度で済むので、参入事業者が一気に増えた。
[FIT]により優遇された電力価格で買い取られるので、事業計画を立てやすく、遊休の土地があったり、風況の良い土地を契約できれば、最小の苦労と時間で黒字化出来る事業となる。

この[FIT]を導入出来たことで、慢性的であった各地の経済の落ち込みを、支える効果が出始めている。
制度を所管する経済産業省の予測した今年度中に導入する計画量に対し、わずか3カ月で7割を達成する勢いである。
カラ振りばかりの経済対策の中で、国費も使わずに経済の活力を与える効果が絶大である。
この制度は税金で支えるのではなく、電力消費者が公平に負担して、電気料金に上乗せされることになっている。

[FIT]は毎年の進展をチェックして、買取り価格や条件を変えて行く事が必要であり、そのさじ加減を間違えると、電力消費者に負担がかかってしまう。
民主党が政権を維持するならば、この制度を確実に成果が得られる様に育成する覚悟が必要である。

しかし2011年の6月~8月は、【菅降ろし政局】の真っ最中であり、管直人の政治生命を懸けての最後の粘り腰で、成立にこぎ着けたことを思い出すのだ。

民主党は不勉強ぶりを真摯に反省して徹底的に勉強せよ。

2012-11-12 | 国創り政治問題
民主党が総選挙に向けて、マニフェストの進捗状況と改編検討を開始している。
野田首相は実績をできるだけ強調したいと言うが、ひいき目に見ても3割程度しか成果を上げている状況にはない。
特に「国の予算を全面組み換えして、16.8兆円を財源として生み出します。」と選挙民に訴えて政権交代を果たしたのに、自公政権時代よりも多額の赤字国債に頼る財政運営に陥ってしまった。
野田首相は、野党時代の「甘い想定で財源を生むと公約した非」を、率直に国民に謝罪します、と言っているが、その勉強不足はあらゆる分野に渡っている。

野党時代には、「エネルギー政策の将来像」を勉強していないで、政権を取ったら「原発大増設により発電比率を50%まで高める」戦略を採用してしまった。
原発の安全性については、「原子力ムラ」の既得権層が「安全神話をねつ造」していた事実を指摘して、すでに多くの専門家が脱原発の必要性を訴えていた。
野党や活動家の言い分を聞くこともしないで、増設に突っ走りだしてしまった。

3・11の大事故が起きてから、少しは反省して勉強をしたかもしれないが、あとのまつりで、国民に大被害をもたらした責任は取り返しがつかない。

更に、公約に謳っている「地域主権」「地域社会の活性化」について、何も勉強もしないで3年以上も過ぎ去っている。

この期に及んで、地域社会の基盤である農業を壊滅させる危険性がある「TPP交渉に参加」を、言い出そうとしている。
「TPP参加」が輸出産業への効果が疑問の上、食料自給率や農業に密接な地域社会を破壊する危惧が大きいのに、対策を打てる政策も何もなしでいる。
TPP参加の方針に賛成している政治家の不勉強ぶりは目に余るものがある。
未だに、自由貿易推進を絶対視したり、日本の開国が必要だという「実情も見ない思い込み」の、石頭に留まっている。

外交交渉は、不勉強のママに空気に流されて動いてしまっては、悪影響が出てからの修正は不可能に近いのだ。
「TPP交渉」に参加してから、日本の不利益になる条件を呑まざるを得なくなって、追い込まれた妥結でもしたら、後世に大きな不平等を残してしまう。

つい最近でも「尖閣諸島の国有化」騒動も、浅はかな政治家の人気取りとメンツ争いで、膨大な不利益を生みだしている。
尖閣諸島を狙う中国側を甘く見てのやり方は、外交オンチの最たるものだ。

民主党にいるのが間違い。野田首相のTPP参加姿勢。

2012-11-11 | 経済問題
民主党の結党以来の政策目標には、「地域主権」を掲げて農業の再生を目指して、食料の自給率を高めて行くとしている。
国民の安心を優先して「国創りの将来像」を描くならば、食料に自給率とエネルギー自給率も同時に高めていかなければならない。
ところが、野田首相は次回の総選挙の争点には、今よりも一層の「食料に自給率を減らす」効果が歴然としている「農産物の関税ゼロ化」を進める【TPP交渉参加】を打ち出そうとしている。

主要な先進国の食糧自給率は、70%以上を確保している。
アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%、イギリス70%(2009年、マニフェスト)で、日本が異常に低い自給率であることを問題であると指摘した。
日本の現状が39%であり、これを自民党政権時に45%まで引き上げる政策を、民主党の政権交代したら、さらに引き上げていくと掲げていた。
具体策は農山漁村の6次産業化を図って、小規模経営の農家も含めて継続可能な農村環境を維持する、としている。
だが、民主党内閣の政策で、農業の活性化が進んだとの成果は見当たらない。

日本の農産物の輸入関税がゼロになると、大規模経営による外国産の安価な産物が大量に流入して、普及品の、米、甘味作物、乳製品、肉類などは、外国産に置き換わってしまう。
その関連の国内生産額は4兆1千億円減少して、340万人の就業機会が失われる。
これだけの影響が出て、食料自給率は14%にまで落ち込む、という農水省の試算が発表されている。
この予測に対して、どの様に対策を講じるのか、野田首相は何も説明出来ない。

日本の経済の輸出依存度は、すでに14%に下がっていて、経済活動の大半は国内需要であり、輸出に依存して来た自動車産業や家電製品産業は、海外生産に主要拠点を移している。
TPPに参加して得られる「輸出増加効果」は、限定される範囲でしかない。
内閣府の試算では、TPP締結による関税引き下げ輸出増効果は10年間出2.7兆円のGDP増加となっている。
だが、家電業界では、価格競争力に頼る製品分野は、もう力を入れる方針から転換しているので、その効果さえも怪しい想定に落ち込んでいるのだ。

輸出産業の保護を優先しながら、国内農山村の弱者切り捨てが民主党なのか。

東電の支援策の追加は財産を抱えたままでは許されない。

2012-11-10 | 経済問題
東京電力の再建策が行き詰まりになり、新たな「政府の支援」を求める姿勢になっている。
もともと、福島の大事故を引き起こした責任は、東京電力の経営体質問題が根幹になっていて、それを許した中央政府の「原子力ムラ」の関係者たちである。
民主党政権は、原発の大増設計画を進めようと決定している責任もあって、東電の経営責任を厳正に追及する姿勢に乏しい。
それにツケイって、損失が膨らんだら政府の支援をあてにする依存体質を、まだ引きずっている。

野田政権は東電の破産処理を避けて、政府が1兆円の出資をして、倒産させない再建処理を選んだ。
倍賞資金などの支援額を5兆円の枠を用意して、とにかく原発事故の終束と、被災者の補償を優先して進めることを重視したからである。
その陰で、本来は責任を負うべき「株主の出資」と「貸付をした金融機関」の資金は保護されてしまった。
そのツケは、東京電力管内の国民に料金値上げとして、ツジツマをあわせた。

しかし、除染費用の増加や事故原発の廃炉費用など、膨れ上がる損失に対して、今以上の電力料金値上げや、税金の投入は許される方法ではない。
東電はまだまだ、大きな資産を抱えている「富裕層企業」の状態である。

『発電送電の分離政策』に沿った方向で、「送電部門の事業と設備・送電線網」を完全に分離して、「半官半民の企業」を東京都や関東地域の自治体が出資して設立し、この送電事業会社に売却をする方法が得策である。
この送電事業部門の売却可能な金額は、いまだに公表されていないが、追加の必要資金を大きく上回ると想定される。
この財産を抱えたままでの「政府支援の追加」は、盗人に追銭である。

東京電力管内は、福島原発はすべて廃炉になり、新潟県柏崎原発の再稼働も可能性は地元の承認を得られる見込みは少ない。
原発稼働はゼロを想定して再建計画を早急に進めるべきである。
それでも、最終処理が完了出来る見通しが立たない場合には、初めて政府の追加支援の方策が検討される段階になる。

大金持ちが火災を起こして近隣に大被害を与えておいて、財産を抱えたままの状態で、役所の支援を要求している構図は、普通の社会ではあり得ないのだ。

日本はどちらが信頼出来ない政党かで選挙になる不幸。

2012-11-09 | 経済問題
アメリカの2大政党の大統領選での争点は、経済不振の立て直しについて、政策の基本で大きな相違がある。
民主党は「新代替エネルギー」重視による経済の活性化で、それには政府が率先して投資を誘発する「大きな政府指向」である。
共和党は伝統的に市場の活力を優先して、政府は企業や投資家の税負担を軽くし、政府支出は削減して「小さな政府指向」で規制緩和を重視する。
ブッシュ政権時代は、規制緩和が行きすぎて金融業の破綻が経済を失速させた。

日本の2大政党の総前の選挙における争点は、いったいなんであったのか。
3年前の政権交代選挙は、自民党のテイタラクに愛想をつかした国民が、とにかく自民党を野党にしたかった、という理由で「民主党に政権が回ってきた」のが本当にところであろう。
ところが、民主党鳩山政権は沖縄基地問題で、独り相撲でころんでしまった。
次の菅政権は、アメリカ主導の「TPP交渉」に乗り遅れては経済停滞が深刻になるとおびえて、準備も合意もなく、交渉参加を打ち出して迷走した。
更に、後継の野田政権は、公約違反を公然と実行する「消費税増税」の選挙民軽視の暴走をして、完全に国民からの信頼を失った。

では次の総選挙の2大政党の争点は、いったい何を選挙民にとうのであろうか。
民主党は経済対策よりも、消費増税で社会福祉財源の安定化を優先する「増税先行、財政肥大化の大きな政府」指向に転じて、総選挙の公約にするつもりだ。
経済停滞のデフレ離脱政策は、どうやら議論百出の「TPP交渉参加」の方針に決めて、輸出促進の効果を期待する様だ。
ただし、原則関税ゼロの輸入農産物によって、日本の農業は、8割上が壊滅的になるとの懸念から、民主党は分裂し過半数を下回るのは確実な情勢である。
現状の議席維持すらも危ういから、野党に転落は覚悟の戦術であろう。

一方の自民党は、安倍総裁の執行部は、解散総選挙を年内にせよと騒ぐだけで、
政権交代をしたら、何を国民の期待に沿って実行するのか、さっぱり判らない。
それは、自民党は政権与党になる二が目的で集まっている政治家集団だから、与党になってから、中央官僚が作成する政策案に、承認を与えるだけだ。
だから、与党にならないうちは政策を提示する能力がないので、公約は総論的な目標を羅列するだけになる。

TPPも脱原発も、なにも決めていない政党が、政権を獲ってから決めるのだ。

アメリカの再生はエネルギーの自前化がキッカケになる。

2012-11-08 | 快適エネルギー社会問題
アメリカの大統領仁小浜市が再選されて、8年間に渡っての経済の再生が継続される。
長年に渡ってきた貿易収支の赤字体質と、財政赤字の問題を抱えながらの難関に挑むが、議会の勢力はねじれ状態で、順風とは言えない。
長期間に渡って石油に依存したエネルギー政策をとってきた為、中東の緊迫状態による石油の供給不安と高騰によって、石油漬けのアメリカ経済は、貿易赤字で重荷を背負ってしまった。

それに輪を懸けたのが、中東の石油狙いの【イラク戦争】で、膨大な軍事費の支出で財政赤字も増大し、経済規模の見せかけを良くする住宅バブルに走った。
サブプライムローン問題の破綻で金融業による経済の牽引は、大きな転換をせまられてしまった。
ブッシュ前政権は、アメリカの経済戦略とエネルギー戦略を完全にミスリードして深刻な経済破綻になったが、オバマ政権によって活路を見つけだしている。

ひとつは、アメリカ全土に渡って埋蔵されているシェールガス(天然ガス)の採掘が、民間ベースで採算が取れるレベルに技術進化したことによる。
この事業がアメリカ経済にもたらす貢献は計り知れない。
石油ユリも安く量産出来て、埋蔵量はアメリカの内需を満たすだけでなく、絵画への輸出余力も充分に見込める。
2020年頃までには、中東の石油を輸入する必要がなくなるので、貿易赤字は解消出来る。
中東の石油依存なしで、国防が成り立つので、軍事費も大幅に削減される。

現在はバブル崩壊の後遺症により、失業率は高い水準にあるが、中東に流れていた資金がアメリカ国内へ大量に回る様になれば、改善される方向になる。
それまでの間は、財政赤字のリスクを承知で、国内への公共投資を続行する。
その対象には、「再生可能エネルギー分野」の膨大な投資と研究開発、事業拡大への政府支援である。
共和党の政策は旧時代の石油依存、市場競争原理による民間の投資促進で、一時期の成功体験に縛られた「小さい政府指向」の「回顧経済主義」であった。
オバマ大統領は「代替エネルギーへの転換」に、政府が主導して投資を促進する「大きな政府指向」で「快適エネルギー化による経済活性主義」である。

アメリカの民主党政権の成果が出てくるのを、日本も注視しなければならない。

科学研究教育の分野でも一極集中の弊害で停滞が続く。

2012-11-07 | 国創り政治問題
日本の教育制度の根本は、明治政府の時代に「富国強兵の基本国策」として、頂点を国立大学で構成し、そこに向けての幹部養成のためにピラミッド構造を作り上げてきた。
国の内政や殖産興業にあたるエリートを養成し、その一方で「現場作業に当たる一般労働者」と「徴兵対象の兵卒」を育成する小学校制度を創った。
これらは、画一的な教育方針を上からに指示に従って、上意下達の仕組みで運営する組織で、中枢は「文部官僚の頭脳」によって、決められていたのだ。

戦後の民主主義教育も、この一極集中の「科学技術と教育内容」の効率的?な仕組みが最善とされて、教育内容も押しつけ型が本流である。
しかし、日本も先進国の仲間に入り、もはや明治時代以来の欧米崇拝の追従主義では、日本の将来を担う人材が乏しくなる。
頂点の大学では、長年の怠慢によって国際化の競争レベルがさがり、新興国からの留学生が「日本をパス」して、先端科学の立ち遅れも著しい状態である。
なんとか「先進国の仲間入り」が出来ているのは、民間企業の研究部門が、奮闘している分野になり、それもこのままでは将来は危うい状況だ。

官僚が支配すると、なぜか、硬直化が始まり、成果を出せなくなる。
産業界は、し烈な競争社会であり、硬直化を起こした企業は、市場競争に敗れて淘汰される仕組みになっている。
行政に分野は競争を起こしにくいが、これも首長の公選制度が機能していれば、行政サービスの低下は防げる。
今の日本の停滞は、中央集権による官僚組織の硬直化が主原因であるのは明白であり、教育制度や先端科学の停滞問題も、「文部科学省」を頂点としての権限集中化が元凶で、大改革をしなければならないのだ。

まずは、大学の研究・教育の中身の評価を、文部科学省がするのではなく、日本の将来を真摯に研究している民間人の役割とする必要がある。
それも一律、一極集中でなく、地方政府毎の「州民の意思」によって、評価する民間人の選出と構成を選択して決める様にして行くのだ。
地域によって評価方法の多様化が進めば、教育に対する工夫が活発になる。

地方政府の規模は、現状の県単位では小さすぎるので、欧州の一国程度(デンマークは北海道と同規模)に任せるのである。
デンマークはこの20年くらいで世界一の教育水準を達成しているのだ。

大学の認可は中央政府の役割ではなく地方政府に。

2012-11-06 | 国創り政治問題
日本は少子化が進んでいるのに、大学の数と定員は増え続けている。
これを文部科学大臣がおかしいとして、設立の認可をしないと言い出した。
明治時代でもあるまいに、大学を設立するのに、中央集権国家の富国政策に関係があるのか。
確かに、現在は大学の乱立によって、半数以上の大学で定員割れの状態に陥り、経営困難になって、教育・研究の質が低下傾向にある。
だから、これ以上に大学の数を増やしたくないから、新規は認可しないとの発想は、単純すぎる上に、基本の考え方が全くできていない。

民主党の国創りの基本には、「中央政府の役割は外交・安全保障などに特化し、地方で出来ることは地方に移譲します。」と掲げている。
更に「国と地方の協議の場を法律に基づいて設置します。」と公約している。
大学の数の乱立と質の低下は、確かに重要な問題であるが、霞ヶ関と既得権に安住した「審議会」の【文部省ムラ】の論理と内輪だけの都合で動いてきた、硬直化した教育立国戦略が、破綻に進んでいることが本当の原因である。
この様な長期的な観点からの議論もなしに、ただ、数が多いから認可しないと、中央の権限を押し付けようとする感覚自体が、問題とされるべきである。

設立を拒否された関係者の憤懣は当然としても、「マスメディア」の論調は、大学の乱立と質の低下に対する問題意識もなく、ただ、突然の不認可の処置を批判しているだけである。
トップの大学のレベルも「国際的な尺度の評価順位」も、落ち込んで行くだけで、日本の将来に不安を持たせている。
小学校の段階では、各地の教育委員会の機能不全により、「いじめなどの惨状」を放置している校長の怠慢や隠ぺい体質は、拡大する一方である。

この様な根本的な硬直化体質を、『改革する方向に転じる基本政策』を打ち出すことが、政治的なリーダーシップを発揮する役割である。
地方の大学の設立認可の業務に、霞ヶ関で関与するから、基本的に重大な仕事は後回しにされたり、手つかずの状態におかれてしまうのだ。
中央政府の仕事は、長期的な観点の『研究:教育立国』の戦略に基づいた制度改革と、必要な予算の地方政府への支援に徹するべきだ。

地方の一大学の設立認可や定員割れに対する対策支援などは、地方政府の役割に任せるとして、財源の使い方も含めて権限移譲するのが、本質的対策である。

中庸の政治を目指すのか、中央集権の打破で結集するか。

2012-11-05 | 経済問題
日本は長い間に渡って【利益配分型】の政治で、中央と地域、経済界と労働界のバランスをとる「中庸の政治」で発展して来た。
中央集権型の官僚出身の政治家と、地方の経済格差是正を重視する地域重視派(田中派→竹下派)の政治家が、同じ自民党で政権を競ってきた。
55年体制のもとで、長年の与党慣れした「経済界」との連携に対しては、労働界の社会党、民社党など、万年野党体質の政治家が、労働条件の向上の分け前を要求して、抵抗する勢力を作ってきた。
この勢力が中選挙区制で、【利益の配分】を競争して発展できたのである。

ところが、2大政党制が目標だと勘違いをして、「小選挙区制」を導入したが、自民党は与党ボケをして世襲制に陥り、野合政党の民主党は、政策の中身を詰めないままに、政権交代の合言葉だけで、突き進んできた。
いざ、政権を取ったら、実行能力がない上に、公約にもない「TPP」や「消費税アップ」「原発大増設路線から脱原発へ大転換」の課題を突き付けられて、迷走と分裂騒動によって、国民からの信頼を全く失ってしまった。
だから、政策の中身が解らないままの【第三極の結集】などの言葉だけが、マスメディアの論議をにぎわす事態になっている。

先進国の最重要課題は、『多様な付加価値を生み出す社会』を目指すことである。
アメリカもヨーロッパのEU諸国も、この目標社会を目指すことは合意されているのだが、具体的な政策の実行面で、大失敗をしてしまったのである。

アメリカは、【金融業の巨大化とマネーゲーム】に没入し過ぎて大破綻をして、今でも後遺症に悩まされている。

EU諸国は、財政規律の取り決めなしで、【共通通貨ユーロ】に転換したために、金融不安による経済停滞に落ち込んで抜け出せない。

日本は金融業の破綻処理も終わり、共通通貨の弊害もないのに、長期の経済停滞を続けているが、その主原因は既に解明済みである。
少数政党は、『中央集権で硬直化した官僚組織の非効率』を異口同音にぶち上げているが、明治維新以来の中央官僚の強固な陣営は、依然として健在である。
自民党は世襲政治家ばかりで官僚陣営には歯がたたない。
民主党は政治塾上がりの素人ばかりで、挑戦出来る能力も大きく欠けている。

このどちらでもない政治家集団をまとめるのが【第三極の結集】というのか。
「中央集権打破」をキーワードで、地方自治体の政治家を結集するのが得策だ!

旧時代産業の仲間入りをした家電産業の大きな過ち。 

2012-11-04 | 経済問題
日本の経済を停滞させた大きな原因に、旧時代産業の言い分を聞きすぎて、21世紀に通用する新産業の芽を摘み続けてきたことにある。
旧時代産業の代表は、付加価値の低い大量生産事業で、1990年頃までは日本経済の牽引力となっていた産業である。
これらは、日本の円がまだ180円/ドルのレートであった時代には、国際競争力があって、輸出競争力も強い状態で、日本の経済発展に貢献してきた。

しかし、高度経済成長に時代が終わり、安定成長指向に変化してからは、「高付加価値商品」が要求される様になった。
これに対応した内需指向の起業が必要なのだが、大量生産企業の過去の成功体験に染まった経団連などが力を持って、対応策を誤ってしまった。
中小規模の「多様性のある少量生産・高付加価値商品」を、軽視する経済構造に固執してしまった。
大量生産、大量消費のモノ作りを転換して行くべき段階に、相変わらずの大量消費指向の「モノ作り産業」が、勢力を持ち続けて停滞したのである。

利益配分型の政治と中央集官僚組織は、この重要な変化に対応出来なかった。
同時に、旧時代産業の経営陣も、成熟した先進国の消費者が求める『高付加価値に対応する商品・サービスの開発』が、全く出来ずに終始している。
均一的な日常消費型の商品は、すでに「価格競争国際市場」に投入されていて、日本でのモノ作りでは、確実に競争から脱落するのだ。
日本で創ることに価値のある商品は、国際市場の価格には影響を受けない「特別の付加価値」を持ったモノだけである。

かっての家電業界は、日本人ならではの高付加価値を持った商品を次々に開発し、新市場を開拓していった。
円レートが有利な時代には、優越した競争力で輸出増大で企業は成長し、円レートが高くなってからは、海外生産に移して現地での競争力を強化した。
しかし、中国や台湾、韓国の企業が力をつけて、膨大な市場を背景にした大規模投資の競争では、経営判断を誤り、大量生産のモノ作りでは敗退したのだ。
その間に、消費者の期待する次世代商品の開発の努力が不足して、「特別の付加価値」を創造できていない。

今は利益配分ではなく、「多様性と特別の付加価値」を生みだす、価値創造の競争に時代になっている。
家電業界も中央集権の誤りを犯してしまったのだ。

中央集権の官僚組織は前世期の成功体験にしがみつく。

2012-11-03 | 国創り政治問題
中央集権の政治が明治時代と昭和50年代頃までは、日本にとっては適切な政治制度であったのは、間違いない。
ところが、日本が「ジャパン・アズ・ナンバー1」と持て囃された時代からは、中央集権制度の弊害が目立つ様になり、遂に「土地神話の崩壊」によって、経済停滞の時代に突入してからは、中央官僚のやることは失敗ばかりであった。

民間企業であれば、赤字を出す事業ばかりをしていたら、経営陣は必ず交代させられ、会社の硬直化した組織と人事にメスが入って再生する。

官僚組織は、税金を投入した事業が成果をほとんど生まなくても、失敗とはみなされず、ただ、景気が悪い影響のせいにして、同じ様な政策を繰り返す。
つまり、費用対効果の「比較が出来る対象の組織」がないために、硬直化した官僚組織の非効率が、歴然と判る様にならないのである。
それでも、官僚の仕事の非効率は批判されるたびに、「行政改革の推進」が叫ばれて取組んだ内閣は数多いが、成功した事例は、わずかしかない。
中央官僚が行革の対象になっても、焼け太りを繰り返すだけで、税金の無駄使いと天下り組織の膨張は、留まることがない。

『道州制に移行』して、中央官僚の仕事を「州政府に移管する」制度改革を、マスメディアでは「二重行政の合理化による税金の無駄使い削減」程度にしか捉えていないで、国民にはメリットと必要性は、ほとんど理解されていない。

最大の利点は、道州制により、同じ程度の規模の自立する政府が、「複数に存在する」ことにある。
選挙で選ばれた統治者と官僚組織が実施した政策の成果が、一定期間内での「経済成長」や、「州民の生活向上」として、明確に比較できる様になる。
統治者は「選挙毎に州民の評価」を受けるし、官僚の仕事ぶりは、他の州の同様な仕事をしている官僚と比較されて、州民の目に歴然とさらされる。

州民の税金を預かって、「経済政策」と「生活向上」の政策に、おカネを有効に使っていないと、官僚のトップも首になる制度を盛り込む必要がある。
国鉄の分割民営化で、JR東、西、東海、の3社は、常に利用者と投資家の目に晒されて、怠慢であると見なされれば、経営陣は責任を取らされる。
国全体の鉄道を経営していて、借金体質、【親方日の丸の硬直化した組織の国鉄】が、世界に誇れる優良な鉄道事業企業に再生したのである。

ここまで言っても、中央集権にこだわる政治家は、救いようのない〇〇である。

民主党の政権公約の見直しは「中道」「中庸」【中途半端】

2012-11-02 | 国創り政治問題
民主党が次期総選挙に向けてのマニフェスト作りに取り掛かっている。
本来ならば、政権交代後の2年を経過した段階で、真剣に取り掛かる義務であるが、消費税やTPP騒動で分裂騒ぎを起こして、選挙民に対する責任などは、そっちのけのお家騒動に終始していた。
取りまとめの細野政調会長は「国民が聞く耳を持ってもらうには、まずお詫びをする」として、野田首相に方針の転換を説得し、公約の達成度を説明する前に、反省を重視する進め方にした。
本来は、マニフェストの修正には、全国の地域の声を真摯に聞いて、それを進捗度の兼ね合いで改訂して行くのが本筋である。

しかし、野田首相自身は、自分が正しい路線を進んでいると思い込んでいるので、お詫びも中途半端、マニフェストの改訂も中途半端に、終わりそうである。
国民の失望を買った民主党内での動きは、「自民党の急進保守路線」や「第3局・改革急進勢力」に対抗して、「穏健な保守と中道リベラルの結集」が、今後の基本路線にしたい様である。
だが、この路線は民主党の結党時の「私たちの基本理念」として、掲げられているが、その後の政策の実行にあたっては、拠り所にもならなかった。
「穏健な保守」と、いったいどのような国創りを目指すのか。
「中道リベラル」などは、言い古された「あいまい用語」の典型で、中身はない。

野田首相の心情は、所信表明でも「中庸」を引用して、「行きすぎや不足がなく、常に調和がとれている」ことを、目標にしている様だ。

だが、その中庸な姿勢によって、脱原発社会への路線は「財界の圧力」によって引き戻されて、大飯原発の再稼働を認めて、国民からの不信を買ってしまった。
「TPP交渉参加」の前ノメリ姿勢批判に対して、国内の農業問題をはじめ、多くの懸念事項があることに、やっと気がついて、それ以後は、「中庸」の姿勢であいまいな「タナザラシ状態」にしている。

消費増税に先行すべき『社会保障の一体改革』についても、「取組姿勢の中庸」に終始して、野党の解散要求の人質にされて前に進めなくなった。
行政改革の目玉である「天下り法人の大幅削減」についても、「中庸」の姿勢で、名目だけの実行に終わる姿勢である。

つまり、「国民に約束した公約」と、既得権を持った「中央官僚組織」の間の「中庸を採る」姿勢だと、改革は何もできずに【中途半端】に終わるノダ。

国の将来を描けない政治家には存在価値はない。

2012-11-01 | 国創り政治問題
第3局の政治勢力を結集するとの掛け声は大きく、国民も期待している。
しかし、『小異を捨てて大同につく』は、国創りの基本構想が描けている政治家集団があって、初めて結集するために、「小異を乗り越える政策調整」に入れる。
もともとの、将来の国のあり方も検討出来ていない政党は、この第3局の政治勢力に参加する資格すら、備えていない。

「石原新党」の土台になる「たちあがれ日本」の政治家達は、保守本流を言うだけで、日本の国創りにおける基本の路線を、何も決めていないに等しい。

この様な「基本的な方向もあいまい」な政党を結集しても、国民に訴える力は何も生まれてこない。
「みんなの党」や「日本維新の会」が目指す「中央集権国家の大転換」を目指す政党と「大同結集」には、ならないのは明らかだ。

この様な基本政策不在の「第3局路線」を自民党の幹部は、政策の一致が先で、その合意が出来た上で政治勢力を結集するのが王道だ、批判している。
基本政策がなければ「野合政党」と呼ぶ勢力にすぎない。

この批判は当たっているがホンネは、基本路線が一向に定められない「民主党の政治家集団」を指して、国民に信を問え、と要求しているのだろう。
ところが、批判する自民党自体が、日本をどの様に再生して行くのかが、一向に国民には見えないのだ。
消費税増税に突っ走り、国民に痛みを先に与える方向で、財政再建を目指すとおもえば、「国土強靭化法」などにより、200兆円に及ぶ土木工事の大規模バラマキをブチ上げている。
小さな政府を目指して、地域に権限移譲を促進するのか、とみると、相変わらずの官僚頼りに、中央集権国家を維持する様だ。

長期のエネルギー政策に対しても、【原発政策の矛盾による行き詰まり】に対して、先のあり方も党内ではまとめられず、当面は原発維持の従来のママにして、民主党のお手並みを見るだけの「日より見路線」である。

自民党自体が「野合政党」と言わざるを得ないのだが、自民党の基本は、その場その場の適切な配分をして行く「利益配分型の調整役」政党である、と評する。
そのためには、常に「与党でありたい政治家集団」で、政策は「中央官僚に任せて」、自分たちは「地域の声を聞く役割に徹して」、あとは分裂を回避する。
しかし1990年代以降は、この様な政治路線では、完全に停滞しているのだ。