庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

TPP交渉参加を争点化するメディアの見当はずれ。

2012-11-29 | 経済問題
各政党が乱立した総選挙の争点化を、メディアはピンボケの扱いをしている。
なかでも、野田首相が国際交渉での「TPP交渉参加」は、【論争点が見当はずれ】で、問題の中身も国内産業の対処姿勢も、混沌とした議論に終始している。
「TPP交渉」は、アメリカが主導して【自国の利益を徹底的に主張し、他国に譲歩させる】外交戦略の一部である。
これに参加することは、「アメリカの海外市場戦略の傘下に入る前提」での、産業政策を作ることが必須である。

ところが、各政党が「公約らしき文言」を掲げていても、『日本の将来の国創り、産業の在り方』は、すべて【曖昧模糊とした作文】に留まっている。
これでは、国際交渉での立ち位置、軸足が定まらず、どうなってしまうか「選挙民の選択に耐える政策」の中身が全く見えないのだ。

野田首相は対米追従路線のとり繕い課題として、「アメリカにおもねるTPP交渉参加」を、とにかく中身よりも参加する前ノメリ姿勢に終始する。
党内の異論が続出する中で、「TPPは日中韓FTAなどと同時並行的に進めて、政府が判断」という、曖昧模糊とした公約に留めてしまった。

他党の中では、まず「交渉に参加して国益を主張し、反する条項があれば交渉から離脱」という、交渉しないでは判らないから、当たって砕けろ!と主張する。
これらの陣営には、「日本維新の会」「みんなの党」などがある。

もう一方は、交渉参加したら「間違いなくアメリカの言いなりになり、不利益を飲まされる」から、最初から交渉参加は止めろ!という。
この姿勢には、「自民党」「公明党」など、とにかく先送りしたいグループと、絶対反対の「共産党]「社民党」「新党大地」などで、「日本未来の党」は?だ。

この状態で政策を競う「選挙公約の争点」して扱うよりも、将来の産業政策を示す『最重要な政権公約』として、各政党の能力を浮き彫りにするべきである。
「官僚依存政治体質」の自民党と公明党は、政権をとってからでないと、官僚が支えてくれないから、それまでは消極的に先送りをしておく能力だ。
民主党は、政治家主導で行きたいが、党内の議論が一向にまとめられないので、どうにでも変更出来る「同時並行的に進める」と、決断しない姿勢の能力である。
他党は、外交交渉などは野党体質で判らないから、ハナから能力は問えない。

外交とは、「武器を使わない戦争」であると、メディアは再認識して「日本が確保すべき産業の未来」を、各政党が明確にするように指摘すべきなのだ。