庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

中央集権の官僚組織は前世期の成功体験にしがみつく。

2012-11-03 | 国創り政治問題
中央集権の政治が明治時代と昭和50年代頃までは、日本にとっては適切な政治制度であったのは、間違いない。
ところが、日本が「ジャパン・アズ・ナンバー1」と持て囃された時代からは、中央集権制度の弊害が目立つ様になり、遂に「土地神話の崩壊」によって、経済停滞の時代に突入してからは、中央官僚のやることは失敗ばかりであった。

民間企業であれば、赤字を出す事業ばかりをしていたら、経営陣は必ず交代させられ、会社の硬直化した組織と人事にメスが入って再生する。

官僚組織は、税金を投入した事業が成果をほとんど生まなくても、失敗とはみなされず、ただ、景気が悪い影響のせいにして、同じ様な政策を繰り返す。
つまり、費用対効果の「比較が出来る対象の組織」がないために、硬直化した官僚組織の非効率が、歴然と判る様にならないのである。
それでも、官僚の仕事の非効率は批判されるたびに、「行政改革の推進」が叫ばれて取組んだ内閣は数多いが、成功した事例は、わずかしかない。
中央官僚が行革の対象になっても、焼け太りを繰り返すだけで、税金の無駄使いと天下り組織の膨張は、留まることがない。

『道州制に移行』して、中央官僚の仕事を「州政府に移管する」制度改革を、マスメディアでは「二重行政の合理化による税金の無駄使い削減」程度にしか捉えていないで、国民にはメリットと必要性は、ほとんど理解されていない。

最大の利点は、道州制により、同じ程度の規模の自立する政府が、「複数に存在する」ことにある。
選挙で選ばれた統治者と官僚組織が実施した政策の成果が、一定期間内での「経済成長」や、「州民の生活向上」として、明確に比較できる様になる。
統治者は「選挙毎に州民の評価」を受けるし、官僚の仕事ぶりは、他の州の同様な仕事をしている官僚と比較されて、州民の目に歴然とさらされる。

州民の税金を預かって、「経済政策」と「生活向上」の政策に、おカネを有効に使っていないと、官僚のトップも首になる制度を盛り込む必要がある。
国鉄の分割民営化で、JR東、西、東海、の3社は、常に利用者と投資家の目に晒されて、怠慢であると見なされれば、経営陣は責任を取らされる。
国全体の鉄道を経営していて、借金体質、【親方日の丸の硬直化した組織の国鉄】が、世界に誇れる優良な鉄道事業企業に再生したのである。

ここまで言っても、中央集権にこだわる政治家は、救いようのない〇〇である。