庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

民主党にいるのが間違い。野田首相のTPP参加姿勢。

2012-11-11 | 経済問題
民主党の結党以来の政策目標には、「地域主権」を掲げて農業の再生を目指して、食料の自給率を高めて行くとしている。
国民の安心を優先して「国創りの将来像」を描くならば、食料に自給率とエネルギー自給率も同時に高めていかなければならない。
ところが、野田首相は次回の総選挙の争点には、今よりも一層の「食料に自給率を減らす」効果が歴然としている「農産物の関税ゼロ化」を進める【TPP交渉参加】を打ち出そうとしている。

主要な先進国の食糧自給率は、70%以上を確保している。
アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%、イギリス70%(2009年、マニフェスト)で、日本が異常に低い自給率であることを問題であると指摘した。
日本の現状が39%であり、これを自民党政権時に45%まで引き上げる政策を、民主党の政権交代したら、さらに引き上げていくと掲げていた。
具体策は農山漁村の6次産業化を図って、小規模経営の農家も含めて継続可能な農村環境を維持する、としている。
だが、民主党内閣の政策で、農業の活性化が進んだとの成果は見当たらない。

日本の農産物の輸入関税がゼロになると、大規模経営による外国産の安価な産物が大量に流入して、普及品の、米、甘味作物、乳製品、肉類などは、外国産に置き換わってしまう。
その関連の国内生産額は4兆1千億円減少して、340万人の就業機会が失われる。
これだけの影響が出て、食料自給率は14%にまで落ち込む、という農水省の試算が発表されている。
この予測に対して、どの様に対策を講じるのか、野田首相は何も説明出来ない。

日本の経済の輸出依存度は、すでに14%に下がっていて、経済活動の大半は国内需要であり、輸出に依存して来た自動車産業や家電製品産業は、海外生産に主要拠点を移している。
TPPに参加して得られる「輸出増加効果」は、限定される範囲でしかない。
内閣府の試算では、TPP締結による関税引き下げ輸出増効果は10年間出2.7兆円のGDP増加となっている。
だが、家電業界では、価格競争力に頼る製品分野は、もう力を入れる方針から転換しているので、その効果さえも怪しい想定に落ち込んでいるのだ。

輸出産業の保護を優先しながら、国内農山村の弱者切り捨てが民主党なのか。