再生可能エネルギーの分野が、将来の膨大な新産業となって、日本の経済を支える根幹となることは、もはや誰も否定しない。
しかし、その技術開発や普及促進の具体策となると議論百出の段階で、日本としての国策は迷走ばかりを繰り返していたので、世界から大きく遅れている。
その責任の大半は、歴代自民党政権の政治判断の誤りにあるが、今さら責任を追及しても益がないので、今後の方向をしっかりと議論すべきだ。
日本は国土が狭いから、「再生可能エネルギー」の供給力は、限度があるので期待できない、と言うのが従来の一般的な人の誤解であった。
このブログで何度も説明している様に、日本は、世界第6位の排他的経済水域を保有している、『海洋大国』である。
利用価値は多方面に渡るが、再生可能エネルギー分野では、四方を風況に恵まれた沿岸部を持っているので、この『風力エネルギー利用』が急務である。
1990年代から世界では、風力発電の将来性が着目されて、技術開発が急速に進展したが、日本では陸上風力はかりの議論で、設置可能量は限られている。
これでは、大手の企業も日本市場を対象にした大型投資はできない。
国が海洋面での風力発電に着目して推進し始めたのは、原発事故後の2011年であったし、「洋上風況マップ」の作成に取り組んだのは、2015年からだ。
とにかく、【政治判断が遅れて今や風力後進国の地位】に甘んじるが、本来の日本の技術力は、やる気になりさえすれば、世界のトップクラスになれる。
『風力発電の浮体式洋上発電所の建設』には、膨大な周辺技術の開発課題があり、政府が本腰を入れて開発支援をする必要がある。
また本体とは別に、風力発電の弱点である『蓄電技術を革新』する必要がある。
今までなら、一次的な畜電には、「揚水発電所」の建設が実施されてきた。
もちろん、この方式で拡充することも出来るが、適地が限られる。
そこで、最新の2次電池技術が着目されるが、蓄電量が小規模に限られる上に、設置コストが高いことと、耐久性に難点があり、技術革新が待たれるところだ。
代わって着目されているのが、「電力を二次エネルギーとしての水素に転換」して、貯蔵や輸送ができる技術開発である。
『水素エネルギー社会』とマスメディアが報じるのは、「燃料電池自動車」に関することばかりだが、本命は、再生可能電力の『蓄エネルギー技術』である。
この技術進化が、日本の将来の経済成長の要になるのだ。(続)