庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

再生可能エネルギー依存社会の実現に不可欠の貯蔵技術。

2015-08-22 | 快適エネルギー社会問題

長い将来のことを考えて、エネルギー戦略を進めることが、日本の安全保障と豊かな生活を継続できる基本である。

今の様な「原子力エネルギーに大量依存」する社会は、日本には不適格であることは実証され、復活はないであろう。

その代替としての再生可能エネルギーは、海上の風力エネルギーの利用が実用化出来れば、日本はエネルギー大国になる潜在力を持つことになる。

もはや化石燃料に依存する必要がなくなり、枯渇の懸念がある石油依存から離脱が可能になる。

 

さらに、現在からしばらくは天然ガスと旧時代のエネルギーの石炭依存が続くであろうが、長期的には日本で産出しないエネルギーから卒業する必要がある。

貿易収支の負担からは、完全に開放されるうえに、治安や紛争の懸念が大きい中東地区などからの、エネルギー遮断のリスクは皆無になる。

ここに到達するには、再生可能エネルギーの製造コストが、大幅に低下することが必須であるが、太陽光発電や、風力発電の発電コストが、化石燃料発電のコストを下回る時期の目途は、すでに先が見える状況になっている。

 

最大の弱点としては、一定した出力を保証する能力はないので、これの補完には、「電力の一時貯蔵」が必須の課題である。

その有力な候補が「水素エネルギーへの転換」であり、「水素の貯蔵、及び輸送技術」の開発が急務となっている。

水素の貯蔵をする目的で、高圧で圧縮したり、低温にして液化する技術があげられることが多い。

この貯蔵法には、「せっかく作りだしたエネルギーを貯蔵するために無駄にする」との批判が多い。

 

燃料電池自動車の場合は、700気圧の超高圧にするために、消費するエネルギーは大量に必要になり、輸送する超高圧タンク車には、危険性が付きまとう。

政府や「マスメディア」が、燃料電池自動車に水素を使う欠点を無視して、【究極の環境先進車】と言うのは、完全に誤解している。

水素エネルギーはできるだけ、「貯蔵や輸送に余計なエネルギーを使わない方法」を開発すべきなのだ。

現在は、主力に考えられている技術は、貯蔵し易い物質「エネルギーキャリア」に変えて貯蔵し、消費する時には水素を取り出す方策が研究されている。(続)