庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

電力の高付加価値化とは使い手が快適さを実感する品質。

2015-08-08 | 快適エネルギー社会問題

今年の夏場は特別に暑さが連続する状態が続き、快適に過ごすには、多大の電力エネルギーを消費することになる。

日本の電力を供給する最前線の事業者達は、戦後の電力不足時代から「粉骨砕身の努力」を払って、生活必需品としての電力を作り、送りとどけてきた。

おかげで、戦後の停電だらけの時代を短期間で切り抜けて、停電の少ない電力インフラとなって、今の豊かな生活を確保できている。

産業が大きく発展した時代には、輸出促進のためには、安価な電力エネルギーを要求されて、石油依存、原子力依存を拡大して、その要求にこたえてきた。

 

しかし、2011年3月の大事故を経て、電力エネルギーは供給不安に晒されて、未だに、夏場の電力供給の不足を懸念する状態が続いている。

今年の夏場は、電力不足の懸念あったが、再生可能エネルギーのおかげで、最高需要期を過ごせる目途が立った様である。

暑さが最高の時間帯には、太陽光発電が最高の発電量を供給する状態で、昨年よりも逼迫する時間が少なくなったと報じられている。

電力の最大の価値は、必要な時間帯に懸念無く利用出来る、供給力であろう。

 

その上に電力供給に必要な価値とは、『快適性を享受できる社会インフラ』とし、国民に信頼されることが、「高付加価値の電力」の評価を受ける。

この『快適性を享受できる価値』とは、「停電しない」だけではダメで、利用者が「心理的にも不安、疑問を持たないで利用できる」コトが重要となる。

その点では、「太陽光発電による電力」は、地球に降り注ぐ太陽エネルギーを有効利用するインフラで、消費する上で、何の遠慮もいらない神の恵みだ。

その一方で、「化石燃料による電力」は、今のところ、安価とはいっても、何億年も前に蓄積された資源で、多量に消費すれば枯渇することは当然だ。

 

人々は、この枯渇性のある化石燃料には、過度な依存を減らす必要があると、【心理的に不安を持ち始めた時代】に入っている。

このことが、夏場の猛暑が続く環境でも、冷房温度を高めに設定して電力消費を抑える我慢を、心理的に感じているのである。

現在は、再生可能エネルギーによる電力供給は2%程度しかないから、まだまだ、夏場の暑さを我慢する生活は続くと覚悟せざるを得ない。

現在は[快適性を享受できるインフラ]として電力は、まだ未完成である。

『電力の高付加価値化』とは、消費者が快適性を実感できるコトなのだ。(続)