現代の先進国経済にとって、生産品の供給が不足する状況は、戦争でも起きない限りは想定されない。
エネルギーなどの必需品や、備蓄のきかない食料品などは、生産と供給の安定が不可欠であり、これは政府のやるべき「最重要課題」である。
それが確保できる前提が成り立った上で、先進国が抱える深刻な課題は、総需要不足、つまり、消費購買力の慢性的な低迷である。
生活水準がある程度以上のレベルになると、消費者に経済的なゆとりが生じない限り、消費指向が減退する一方で、総需要不足を引き起こしデフレになる。
現代の資本主義先進国の政府の役割は、必需品の供給に必要な生産体制及び輸入の安定化を図るのが第一の責務で、これは誰も異論のないところだ。
それだけでは、経済成長は停滞するのは目に見えている。
さらに収入の増加を目指して、生産性の向上に励むのはよいが、それでは物価の低減を起こす力だけで【デフレ経済】になる。
そこで政府の役割としては、「高付加価値商品」の開発と普及の責務が生まれる。
今までよりも、一層、高度な品質や感性に訴える商品が期待されているのだ。
また、もっと快適なサービスを提供できる、第三次産業が必要になっている。
これらの商品やサービスは、必需品のレベルよりも高い価値があるので、当然、価格が高くなる。
消費者がこの価値を認めて購入、消費する行動を起こすには、国民の収入額が増加して心にゆとりが生まれていなければ、財布のひもは緩めない。
富裕層や大企業従業員の一部だけに、収入のゆとりが出て購買意欲が起きても、世の中全体がぎりぎりの生活をしている心理状態では、お金は動かない。
少なくとも半数以上、できれば8割の国民が、生活にゆとりを感じ始めないと、
「高付加価値商品・サービス」は、普及が広まらないのだ。
この様な背景にあるにも拘わらず、「バブル経済崩壊後」は、「無駄を減らせ」、「価格破壊は大歓迎」の風潮で、「高付加価値は不必要]になってしまった。
しかし、伝統的な文化に支えられた「地域社会の高付加価値」は維持されて、今やっと、各地域での『地場産業おこしの役割』を認められてきた。
これからは、ゆとりの出た分を、この様な日本各地の特質に沿った「高付加価値事業」を、しっかりと育成して全国に広まる事業にすべきである。
その商品・サービスを好意的に支持する「消費者マインド」の育成が重要だ。(続)