2000年初頭の「経済官庁」の幹部官僚たちは、2015年に経済の行き詰まり原因となっている、新産業育成の芽を潰した「責任者」であった。
名目上の責任者は政治家であるが、政治家の能力では「新技術の進化の予測」は、できる筈もなく、中央官庁の頭脳集団が、基本政策の立案をするのだ。
その政策が完全な予測の誤りを産みだし、それに輪をかけて【原発の安全神話をデッチ上げてきた】エネルギー敗戦の責任は大きい。
ところが、「経済産業省」では、誰も責任をとらない上に、2030年に向けての電源構成の作成では、またまた、将来予測の面で大きな誤りを演じている。
安倍政権は、この様な無能の集団の言うことを、まだ頼りにしてエネルギー戦略をたてて、その上にのせた「成長戦略」でも経産省頼み、である。
何度もおおきな過ちを犯したうえに、責任を負わないで、依然としての無能力のままで、2030年の目標を作成している。
その誤りと無責任体質を黙認したままに、「経済成長を抑制する旧時代産業擁護」を、政策の主軸のすえたまま、マネーゲームの成果に翻弄されている。
アベノミクスの掛け声で、「第三の矢」と打ち出している【経済成長戦略】は、世の中に成果が見え始めている兆候もない。
これは、新産業の育成には、取り掛かりから成果が出るまでには、早くて5年はかかる上に、経済的な政策支援が不可欠である。
ところが、経済産業省が打ってきた政策は、継続性のない一過性ばかりである。
2002年には、太陽光発電の育成は終わったとして、補助金制度を打ち切って失速させて、その後に、海外の大幅な太陽光発電関連産業に抜かれてしまった。
大慌てで、対策を打ち出そうとしたが、その時期は逸していた。
他の目玉となる様な新産業への継続的な育成策は、全く見えない。
経済産業省では、新産業を育成する能力が、トックの昔に欠落してしまったので、何を育成するべきかの判断能力を磨くことができなくなっている。
曲がりなりにも、超金融緩和の影響で、金持ち層だけが潤う分野でのおカネの循環が良くなったのはたしかだ。
これは、経済政策の成果ではなく、単に円安誘導によって、外国からの購買力の増加が数字面に影響しただけである。
それも、安倍政権の願望だけで、消費者の購買力の向上はなく、恩恵は一部に限定されて、ついに、経済成長率は大幅なマイナスになってしまった。(続)