庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

自分たちの都合で先のことは説明しないホウカムリ体質。

2015-08-29 | 環境問題

高度経済成長時代には、日本の産業を早急に「欧米の先進技術を導入」して、日本流に改善しながら、民間企業との連携で成功事例を積み上げてきた。

「欧米産業に追い付け追い越せ」が合言葉で、中央官庁の優等生である「経済産業省」(旧通産省)の幹部たちが、日本の産業を育成してきた。

現在の経済産業省は、完全に日本全体を停滞させるために動いている様である。

原子力産業の破綻は、安全性よりも既得権業界の利権優先が原因である。

 

今回の時代錯誤的な「石炭火力発電の大増設」は、倫理観を失い、合理的な思考能力を捨て去った、【既得権業界擁護】にすぎない大愚策である。

石炭火力発電を強力に進める理由としては、化石燃料輸入に依存する体質のまま、もっとも安定して輸入できるからである。

価格的には、石油は乱高下し、天然ガスの輸入量増加には、調達先を増やす必要があっても、競争相手が多いから懸念が多い。

だから、石炭に依存するのが一番安心だと言う。

その上に、石炭火力発電は、[12.3円/kWh]の発電コストで、2030年時点の予測は[12.9円/kWh]で、将来も安価な電源である、としている。

 

しかし、この発電コストには、[CO2排出]の削減対策が全く含まれていない。

経産省によれば、この削減対策は欧米先進国の技術を後追いして、将来には「モノマネ」で対策処理を追加して行く目論見になっている。

では、その追加コストはどうか、というと、全く国民には説明されない。

電力会社も密かに調査・研究を進めているが、その追加コストが膨大に上がるので、一切、電力消費者側には秘密にしたままである。

 

これは、原子力発電を大幅に増設して行く段階で、「安全対策コスト」を、低く治めて、本来の発電コストよりも、「安価な電源」であるとアピールしていた。

2011年に大事故で見直しされ、本来の発電コストは、[10.1円/kWh]以上となって、【安価電源神話】も崩壊した。

この大誤算を進めた「ゴマカシの体質」が、【石炭火力発電の大増設】でも、また復活している。

今の時点では、発電コストが一番安いから、として経済成長に不可欠の電源だと言いながら、将来に大幅に値上がりしても、自分たちは、ホウカムリできる。

原発の大事故でゴマカシの体質が露呈して、【原子力族】の悪名が国民衆知となったが、今度は【石炭族】の登場である。もういい加減にせよ!・・!!(続)