analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

こちらの記事は製作・修理・改造を推奨するものではありません。
故障・事故等が起きても当方責任は負いかねます。

プリの動作点の変更 その13 実測値

2021-04-02 00:04:45 | LfD-1

ON-OFF法によりOPT・IPTの各入出力インピーダンスを以前算出したが、これがどの程度合っているのかを確かめたいと思っていた。

 

インピーダンスについては実際に測ってしまったら分かるのか?

 

まずは設計値。下図になるはずである。

 

そして各部の実測。

発振器はプリの入力に接続し、600Ωラインの電圧が1Vになるよう設定し、各部を測定した。

 

① プリの出力管5687プレートとOPTの間にデジタルマルチメーター(DMM)を繋いで電流値を測る。

同時にOPTのB-P両端の電圧を測る。

これでOPT一次側のインピーダンスを算出する。=9,686Ω

 

② パワーのIPT一次側600Ω巻線の両端の電圧(=1V)をみながら発振器の出力を調整する。

同二次側20kΩ巻線両端の電圧を測る。=4.47V

これでIPTの電圧比を出し=4.5、インピーダンス比を算出する。=20

 

③ 合わせてプリOPTの昇圧比=6.8 ・ インピーダンス比=46 を出す。

この昇圧比6.8(デカすぎでねか?3/31)というのは奇しくも3/14に試算した数値と同じ。パワーのIPTのインピーダンス比だ。ここは伝送インピーダンスを600ΩにしようとするとIPTの昇圧比からRgは2kΩにしなければならない。

 

 

 

④ プリとパワーピンケーブルの代わりにDMMで繋ぎ電流を測定=2.7mA、600Ωラインのインピーダンスを算出する。=370Ω

最終的にプリのOPTインピーダンスが5687のrpの何倍になるか?(OPT/rp)を算出する。=3.0

 

 

⑤ 参考にプリの出力に600Ω固定抵抗を接続してOPTのインピーダンスを測定してみた。=13,813Ω

プリOPT一次側インピーダンス(プッシュ側):実測Ωの値が13,813Ωと10kΩより高いのは、これが真の値に近いと思う。上の①が10kΩに近いのは負荷のパワーのインピーダンスが低いのに引っ張られていいとこに行ったのではないか。

 

以上により、OPT、IPTの昇圧比がおかしい。両方とも5.8になるところ、

OPT(NP‐126)は6.8・・・③

IPT(A‐8713)は4.5・・・②

⑥ これ等よりパワーU7のRgを4.7kΩにした時、プリのOPT一次側のインピーダンスは 21,645Ω(P-P間)となる。

 

⑦ 600Ω伝送ラインは1V÷2.7mA(実測)=370Ω

 

 

 

問題点

② と ③ の電圧がともに5.8V出てればすべて問題無くなる。測定方法が間違ってるのか、なにか条件が有るのか?

トランスの電流と電圧の計り方は間違ってないのか?

 

⑦ 370Ωはオンオフ法で測った数値に近く、これを600Ωに近付けるためパワーのRgを大きくすると、プリのOPTインピーダンスが大きくなってしまう。

 

20210307


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3 コメント

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上の表の修正 (soruboseinn)
2021-04-04 12:55:45
Rg(Ω) 電圧(V) 電流(mA) E×I
637 1.80 2.83 5.1
4.7k 2.23 0.48 1.1
8.7k 2.46 0.28 0.7
10k 2.54 0.25 0.6
12k 2.56 0.21 0.5

修正してみました。
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測定結果まとめ (soruboseinn)
2021-04-04 12:48:30
EDさん、こんにちは。

以前鉄損について調べたときは小さいので考えなくて良い、と有ったと思いましたが先ほど検索したところ、計算式が出てきました。
これについては後程計算してみようと思います。

鉄損と銅損の意識はしてませんでしたが、変換効率は漠然と90%くらいか?と思ってました。アイエスオーの事だから巻線を多めにして定格の「昇圧比」を出すようにしてる?なんても考えましたが、トランスってそんなに簡単なモノじゃないと最近思ってきました。

おっしゃる通りA-8713は反転使用で、効率もさらに落ちるようなことも雑誌に書いてあったと思います。

先日テストCDでサイン波を結構な音量で鳴らしましたが、その時の電圧が、パワーのIPT二次側でプッシュ・プルとも0.025Vなんて数字が出ました。
小信号になるにつれてアンプの歪が増える点が有るので、もしかして非常に勿体無い使い方してるのか?なんて思い始めてます。


2~3日ほど前、過去の測定結果を眺めてました。(意識して測定したものでないのでミスが有るかもしれません。)
Rgを換え、IPT二次側の電圧を測定。E÷Rgより電流を出し、電流と電圧をかけたものがE×Iとなります。

Rg(kΩ) 電圧(V) 電流(mA) E×I
637    1.80     2.83     5.1
4.7k 2.23     0.48    1.1
8.7k 2.46     0.28    0.7
10k 2.54     0.25    0.6
12k 2.56     0.21    0.5

Rgを大きなものにすると電圧が上がるので、ものすごく大きいものに換えるかグリッドに直接つないだら定格の電圧比5.8に近づくのか?と思いました。
ただし電圧×電流が小さくなるし、次段の12AU7の入力電圧が大きくなりすぎる?
ので、ここは抵抗の小さいものが良いのか?
などと考え始めてます。

もう少ししたら、Rgを可変抵抗に換えて、IPTの一次・二次とも測ってみようと考えてます。

お忙しい中、いつも有難うございます。
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Unknown (ED)
2021-04-03 00:14:39
soruboseinnさん、こんばんは。

ライントランスの特性で、理論値と実測値が違う原因は二つあると思います。

一つは、トランスの鉄損と銅損で、NP-126に600Ωの負荷を繋ぐと9割弱の出力電圧になってしまいそうです。

もう一つは、A‐8713のほうですが、このトランスは本来OPTの設計のはずです。

それで、この鉄損と銅損を考慮して実際の巻線比を少なめにして出力電圧が多めに出るような設計をしているのではないかと推測します。

これを逆に使っているので、減衰比が少なめになっているのではないでしょうか。
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