なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

カンピロバクター腸炎

2016年08月31日 | Weblog

 先週救急搬入された83歳男性が退院した。自宅内で四肢脱力という救急隊からの報告だった。搬入されると、意識は清明で左右さはなく、ストレッチャーの上では両手両下肢を挙げられた。もともと精神遅滞があり、実家で兄の世話になって暮らしている。普段は農作業の手伝いをしている。どちらかというと、付いて来た兄の方が、変形性膝関節症で杖歩行してADLは悪かった。

 暑い中、前日も農作業をしていたが、当日朝から食欲がなく、1回嘔吐していた。腹痛はない。検査でもほとんど異常はなかった。熱中症疑いで入院した。入院後に、下痢していることが分かった。何度も何度も聞くと、どうやら2日前くらいから下痢が続いていたらしい(兄は気付いていなかった)。便培養を提出して、点滴と整腸剤で数日みていた。便培養でカンピロバクターが検出された。点滴だけでも症状は軽減していたが、抗菌薬内服も追加した。

 昨日には下痢は治まり、食欲良好となった。入院後にふらふらと歩いて数回転倒していることもあり、ナースステーション隣の病室に移動させて、念のためゆるい体幹抑制をしていた。特に文句も言わず、大人しく入院生活を送っていた。その場その場での会話は成り立つが、憶えてはいないようだ。看護師さんに世話してもらってうれしそうだった。今日元気に退院していった。やはり、普段は兄よりこの患者さんの方がはるかに元気だった。

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