なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝膿瘍

2023年08月04日 | Weblog

 昨年、肝膿瘍で3回入院した87歳女性がまた火曜日の午後に入院した。

 午後に内科新患を診ていた先生から夕方に、「昨年先生が診られた患者さんを入院させて」と声をかけられた。昨年3回入院している(実質は2回)。

 最初に担当した先生は単純CT検査で感染巣を特定できず、短期の抗菌薬投与で軽快退院としていた。数日で再燃して再入院してきて、造影CTで肝膿瘍と診断できた。

 患者さんが飽きて退院したいというほど、抗菌薬の点滴静注を行ってから退院とした。約6週間の抗菌薬投与を行って、治癒退院とした。

 それでも数か月後に別の場所の肝膿瘍で再入院した。同じ治療で退院している。17年前にラパ胆の手術を受けていて、総胆管~肝内胆管に結石は認めなかった。

 2回とも肝機能障害を認めないのが不思議だった。多発性肝嚢胞があるのも診断を難しくしている。膿瘍が比較的小さくて(ドレナージが難しそうな部位)、幸いに抗菌薬投与だけで軽快治癒した。(ドレナージが必要な時は紹介するつもりで診ていた)

 

 単純CTでは診断できないので、再発した時のためにカルテに付箋で「診断は造影CTを要します」と貼っていた。その日は単純CTだけ行われていて、やはり膿瘍を指摘できない。造影が必要です、とお伝えした。

 翌日に造影CTが行なわれて、前回の膿瘍より大きな肝膿瘍が描出された。抗菌薬投与だけでは難しいと思われ、今回は地域の基幹病院消化器内科に紹介してもらうことにした。

 

 

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