なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

すりガラス陰影?

2021年03月17日 | Weblog

 昨日内科新患を診ていた内科の若い先生から、発熱外来経由で3名の患者さんが内科に回されてきた、と報告がきた。

 ひとりは79歳女性で、若い先生が急性腎盂腎炎で入院治療を担当して、治癒退院にしていた。また同疾患で再入院になる。もう1回担当してもらうことにしたが、今月いっぱいで転勤になるので、途中から内科の他の医師が引き継ぐことになる。

 もう一人は86歳男性で、グループホームに入所している。当院の循環器科と呼吸器科の外来にきていたが、循環器科の閉科とともに、合わせて内科クリニックに紹介されていた。

 50年以上(20歳前から70歳くらいまで)の喫煙歴があり、慢性閉塞性肺疾患だった。今回は発熱・呼吸困難で内科クリニックから紹介されての受診だった。胸部X線・CTですりガラス影を認めるという。

 確認すると、肺気腫像があり、右肺野に確かにすりガラス様陰影を認める。ただ主に右側に認めるのと、肺野内でもややまだらに分布している。気腫像を呈する肺に浸潤影が広がっているということのようだ。

 白血球10100・CRP13.9と炎症反応上昇の程度があり、LDHが225とふだんの120~138よりは上昇している。一応間質性肺炎のマーカーも提出した。

 通常の急性肺炎発症による慢性閉塞性肺疾患の増悪として、抗菌薬(セフトリアキソン)で経過をみることにした。日中はよかったが、昨夜は不穏で病棟看護師さんを困らせていた。

 もう一人は精神発達遅滞で施設入所中の61歳男性で、多動がある。食事の時もかき込んで食べてしまう。食物を詰まらせて、酸素飽和度が一時的に低下したが、その後は回復していた。画像上肺炎像はなく、まだ炎症反応も正常域だった。

 誤嚥性肺炎を来してくる可能性があるが、施設職員の話では動きまくるので入院は難しいという。抗菌薬内服で外来フォローとした。2日後に当院内科外来予約が入っているので、3日分の処方で経過をみる。

 

 月曜に発熱外来を受診した市内在住の42歳男性は、新型コロナウイルス抗原定性試験で陽性と出た。ちょうど保健所の依頼でPCR検査をしている時に(担当の外科医から)相談されたので、PCR検査を追加して確認することにした。

 翌日火曜にPCR検査陽性と判明した。前日に発熱したが、受診した月曜には解熱していた。保健所の判断になるが、おそらくホテル療養だろう。

 火曜日の午後に、同居の両親のPCR検査を依頼されて行ったが、二人とも陰性だった。両親は濃厚接触者として2週間の自宅待機になるのだろう。

 

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