なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心原性脳塞栓症

2021年03月18日 | Weblog

 昨日、地域の基幹病院の脳神経内科から、89歳男性が転院してきた。2月26日に意識障害・構音嚥下障害・左不全麻痺で発症した。

 右中大脳動脈(MCA)M2の描出不良があり、同領域に新規梗塞巣を認めた。MCA領域全体ではない。搬入時の心電図で心房細動があり、心原性脳塞栓症と診断された。

 送られてきた画像で梗塞巣内の出血が疑われたので、頭部CTをとってみたが、それはなかった。抗凝固薬(DOACのリクシアナ)が投与されていたので継続とした。

 当院の糖尿病外来(大学病院の医師担当)に通院していた。数年来、認知症が進行していたようだが、基本的に血糖コントロールだけしていたようだ。

 嚥下障害で経口摂取できないので、経鼻胃管挿入による経管栄養が開始されていた。高齢で胃瘻の適応もなさそうだが、胃切除術後で造設不可能だった。

 認知障害があり、手足を活発に動かしている。不穏ありとして、先方で抗精神薬が投与(注入)されていた。

 当院でも嚥下訓練を行うが、胃管が挿入された状態なのでやりにくいだろう。今どきだと、経鼻胃管の経管栄養は施設で嫌がられてとってくれない。まず胃管を抜かれないように、抑制が必要で、その点でも施設は無理だ。

 現状維持でいくとすれば、療養型病院に依頼するしかないかもしれない。脳神経内科の先生は、嚥下障害があると関心がないようにみえるが、こちらの僻目?。経口摂取できるようにならないだろうか。

 

 

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