1月29日に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の75歳男性が呼吸困難で受診した。内科再来を診ていたが、施設から脳梗塞の患者さんも紹介されていて忙しかった。
すぐには対応できないが、酸素飽和度が70%台(室内気)だったので、受付から救急室に移動して酸素吸入を開始してもらうことにした。
昨年9月にCOPDの増悪(喘鳴を伴うACO)で入院したが、入院拒否から妻の説得での入院だった。気管支拡張薬・ステロイド・抗菌薬を開始したが、入院翌日から退院を希望していた。結局喘鳴が続く状態で、5日目に退院になった(暴れる前に帰したということ)。
労作時には息切れが増悪するので、在宅酸素療法を勧めていたが、それは拒否していた。外来で待たされるのが嫌いで、診察室に入ってもすぐ帰ろうとする(すぐ出ていく)。
点滴と採血を入れて、胸部CTを撮影してもらうことにした。肺炎併発によるCOPDの増悪を想定していた。すぐに放射線科の技師さんから気胸の報告が入った。
画像を確認すると、確かに気胸だった。2日前からの症状らしいが、週末だったので我慢していたらしい。妻の話では夜間寝られなかったという。救急車を呼ぼうとしたが、それはいやがったのでその日は妻の運転する車で来ていた。
なんだか肺がぺらぺらで、胸腔ドレナージは当院でもできないことはないが、慣れない吸引すると肺損傷が広がってしまいそうな気がする。吸引だけでは治らず胸膜癒着術を要すると思われる(それも慣れていない)。年に1回やるかやらないかの処置なので自信はない。
地域の基幹病院の呼吸器内科に連絡すると、昨年肺癌・COPDの患者さんが気胸になった時にお願いした先生が出た。引き受けてもらえることになり、救急搬送した。
週末よく我慢していたというか、よく(緊張性気胸にならず)肺が保っていたものだ。