1月12日に記載した脳神経の専門病院から転院してきた心原性脳塞栓症の83歳男性は、転院時にすでに肺炎があった。
先方の病院に入院中の12月31日にCOVID-19に罹患した。コロナの薬を使用したかどうかは記載がなかった。セフトリアキソン点滴静注後に、経鼻胃管から抗菌薬(セフェム系第3世代)が注入されていた。転院前に微熱が続いていた。肝機能障害があり、胆道感染症も否定できません、という記載もあった。
1月11日に転院してきて、翌12日の血液検査で白血球8100・CRP8.8と炎症反応の上昇があった。肝機能障害(AST 54・ALT 105・ALP 184・γ-GTP 101・総ビリルビン0.5)もある。
胸腹部CTで確認すると、両側肺の下葉背側に胸水貯留があり、浸潤影もあるようだ。右上葉にするガラス陰影ともとれる陰影があった。そして肺野全体に気腫性変化があった(喫煙者)。
ウイルス性肺炎も否定できないが、下葉の胸水を伴う陰影は誤嚥性肺炎だろうか。まずは誤嚥性肺炎の治療を開始することにした。
そして肝胆道系にも問題があった。胆道系(胆嚢~胆嚢管~総胆管)に胆石と、胆石というより石灰化と表現するような陰影があった。胆嚢炎・胆管の可能性がある。セフトリアキソン投与があり、影響も否定できない。
聴覚言語療法士(ST)に診てもらうと、嚥下はできそうといわれたが、転院翌日は痰が絡んでいた。まずは肺炎の治療をするので、嚥下訓練は一番最初の昼のみ訓練用ゼリーで週明けまで経過をみてもらうことにした。