なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザでした

2024年01月10日 | インフルエンザ

 1月9日(火)の午前中は救急外来(発熱外来を兼ねる)の当番だった。回転性めまいがあると、56歳男性が救急搬入された。

 市内の会社で(立位で)会議をしていた。途中でめまいがして、立っていられなくなって倒れた。冷汗もあったというが、搬入時は血圧が165/99mmHgとむしろ高かった。体温36.1℃。

 救急隊から1月6日から咳が出ていたそうです、と報告があった。コロナ・インフルエンザの鑑別で咳・鼻・のどの症状と発熱の有無を訊いている。発熱はなかった。

 搬入時は意識清明で、開眼して普通に会話ができる。めまいはと訊くと、軽くなりましたという。感冒症状があるので、コロナとインフルンザの迅速検査を提出すると(救急室で施行)、思いがけなインフルエンザA型陽性だった。

 本当に回転性めまいだったのだろうか。改めて訊いてみると、回転性めまいではなかった。冷汗もあったので、意識消失はないがpre-syncopeだったのかもしれない。(自覚的にはふらついたとだけ表現)

 救急隊はめまいと聞くと、回転性ですかと訊いて来るので、そうだと答えてしまったようだ。救急隊は頭痛はなく、耳鳴・難聴はありません、とBPPVを想定したような報告だった。

 朝からそれほど体調不良は自覚していなかったが、インフルエンザに罹患していたいところに、立っての会議が長引いて症状が出たのかもしれない。

 心電図は正常洞調律だった。血液検査ではCRPが0.9と若干の上昇を呈したので、インフルエンザの影響はあるのだろう。(胸部X線で肺炎はない)

 処置室でしばらく休んでもらうことにして、ペラミビル(ラピアクタ)点滴静注した。午後に家族(妻、息子)が迎えにした時には、起き上がっても何ともないので、息子の運転する車で帰宅とした。

 

 8年前に脳梗塞で医療センターに入院した既往があった。症状は記憶の障害だったそうだ。そうなると、一過性全健忘と思われるが、ワーファリンが処方されて現在も3か月に1回通院している。

 心房細動でも深部静脈血栓症(奇異性脳塞栓症)でもなさそうだが、抗凝固薬(それもDOACではなくワーファリン)が処方されているのはどういう治療なのだろうか。

 一過性全健忘はまず脳梗塞にはならないらしいが、予防するとしても抗血小板薬だと思う。そもそも病態が違うのだろうか。なにしろ医療センターなので、意味があるはずだが。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする