なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腎後性腎不全

2023年08月10日 | Weblog

 腎臓内科の若い先生が「ちょっとグチってもいいですか」と話してくれた。

 8月8日火曜日に内科医院から腎不全の76歳男性が腎臓内科外来に紹介されてきた。血清クレアチニンが4.95mg/dlで、透析が可能かどうかとういう紹介内容だった。

 3年前から認知症でグループホームに入所していて、嘱託医がその内科医院だった。昨年3月から浮腫が目立つようになり、腎障害もあった。

 地域の基幹病院腎臓内科に紹介となり、何度か入院したそうだが、糖尿病腎症とされて、腎後性(尿路系閉塞)の話はなかったという。入院中の点滴自己抜去などがあった(印象が悪かった?)。

 

 当院で画像検査をすると、両側の著明な水腎症と腎実質の菲薄化を認めた。また膀胱壁が全周性に肥厚していた。(前立腺は他院で摘出術を受けている)

 泌尿器科外来(非常勤医)に紹介された。尿カテーテルを挿入しても尿排出は100ml程度だった。慢性(間質性?)膀胱炎で膀胱壁内の尿管口が狭窄しているらしい。(膀胱癌も否定できず)その部位を拡張させるか腎瘻の処置が必要ということだった。

 当院では処置できないので、基幹病院の泌尿器科へ紹介となった。腎臓内科医のいうのはグチではなく、腎機能障害の原因をきちんと検査してほしかった、ということだった。

 ここまで進行すると、処置をしても近い将来透析ということになるのかもしれない。認知症で点滴を抜去する方なので、透析治療に適応できるかという問題もある。

 

 

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