多系統萎縮症の76歳男性が、7月9日(日)に誤嚥性肺炎で入院していた。その日日直だった消化器科医が主治医となっている。
両側肺の背側に浸潤影があり、顕性誤嚥ではないが、普段からムセはあるので誤嚥性肺炎だろう。
内科当番も置いているが、内科・消化器科として診療してきているので、そのまま担当してくれていた。以前にも誤嚥性肺炎で入院していて、当方も担当したことがある。現在は施設に入所している。
入院後はゾシン(PIPC/TAZ)で治療を開始して軽快していた。投与期間が5日だったので、ちょっと短いかもしれない。
7月24日に発熱があり、尿混濁があることから尿路感染症として抗菌薬(チエナムIPMCS)を開始していた。尿培養では感受性良好な大腸菌が検出されている。
7月29日に発熱があり、セフメタゾール(CMZ)に変更していた。その後、8月4日からミノマイシン(MINO)内服に、8月9日からバクタ(ST合剤)に変更していた。ちょっと迷走している感じがするが、発熱が気になるのだろう。
入院時のゾシン投与後は炎症反応は陰性化して、その後に微熱があっても検査上は炎症反応は陰性で推移していた。軽微な誤嚥を反映しているのかもしれない。
37℃台の微熱であれば数日経過をみていいと思われる。高熱になってきたり、炎症反応が上昇してくれば、そこで培養検査を提出して治療を考慮する。
担当していないので評論家的見方になるが、直接担当していれば、そうもいかないのかもしれない。