なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性肺炎

2023年08月24日 | 急性肺炎

 8月23日水曜日の午後に発熱外来の当番をしていた。迅速検査で5名がコロナ陽性で、1名はインフルエンザA型だった。コロナとインフルエンザのキットなので、インフルエンザと判明する患者さんが散見される。

 若年・中年の患者さんは明らかに上気道症状で重症でなければ、コロナ陽性でもそれ以外(のウイルスかコロナの偽陰性)でも検査と処方だけ行うことが多い。

 高齢者の場合は細菌感染症の可能性があり、迅速検査陰性の後に院内に入ってもらって、胸部X線や血液・尿検査を行っている。

 

 56歳男性はコロナ・インフルエンザ両者陰性だったが、経過が気になった。19日土曜日に咳・痰が始まって市内のクリニックを受診した。21日月曜日に39℃の発熱があったが、22日には解熱したようだったが、夕方には37.5℃あった。

 車に乗っている状態で電話で迅速試験の結果を説明して、症状を訊いた。咳・痰が続いていて、痰は喀出すると黄色・緑色だという。どうも肺炎が疑わしい。

 胸部X線(正面・側面)を撮影すると両側下肺野に軽度だが浸潤影があるようだ。血液検査では白血球12400・CRP13.7となかなかの(中等度の)上昇を呈していた。

 食欲がないというので点滴を開始していたが、セフトリアキソンを点滴静注することにした。会社に訊かないと入院できないというので、その日は帰宅として翌日に来てもらうことにした。

 

 今日は入院の準備をして来院した。昨日は遅くまで仕事をしてある程度片付けてきたという。入院して、そのままセフトリアキソン継続でいくが、前日の検査で肝機能障害を認めていたのが気になった。

 AST 102・ALT 161・ALP 291・γ-GTP 627・総ビリルビン1.5と中等度の肝機能障害だった。今回の肺炎と関係があるかが気になった。

 10年前から健診で肝機能障害を指摘されていたそうだ。受診したクリニックを2回二次検査で受診して、脂肪肝といわれていた。それにしては高いし、胆汁うっ滞もあるようなパターンだった。(20代のころに大きな胆嚢ポリープがあり、胆嚢摘出術を受けている)

 アルコールは週3回くらい、ビール350mlかハイボールを1杯飲むくらいが、お盆のころには数日もっと飲んだという。栄養性脂肪肝+アルコール性肝障害?。

 CKは正常域で、血清ナトリウムも正常域だった。尿中抗原検査は肺炎球菌もレジオネラも陰性だった。前日セフトリアキソンを入れた影響をみたいのと、肝炎の外注検査提出もあるので、肝機能を検査した。前日より少し軽減している(少なくとも悪化はない)。

 肺炎像と肝胆道系確認のため、胸腹部CTも行った。肺炎の浸潤影は右肺下肺野背側、左肺舌区・下肺野背側に軽度にあった。肝胆道系は問題ないと思われる(CTで脂肪肝と言い難い)。

 セフトリアキソンを継続して、週明けに再検予定とした。 

 

コメント (1)
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