なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌・肝転移

2023年08月13日 | Weblog

 7月31日の夜間に発熱・ふらつきで83歳男性が救急外来に搬入された。当直は整形外科医だった。

 コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。5月にコロナ(COVID-19)に罹患した既往がある。高齢者なので院内に入ってもらって、検査を行っていた。

 血液検査(試験紙の簡易検査)で白血球7800・CRP0.2と炎症反応は陰性だった。肝機能も問題なかったが、その他の検査項目は器械故障で出なかったので、数値が出た検査の参考値相当と判断されている。

 胸腹部CTで肺炎はなかった。肝臓内に低濃度巣が散在しているように見えるが、息止め不十分もありはっきりとはしない。

 発熱の原因は感冒とされて、アセトアミノフェンが処方された。外来で肝臓は調べた方が、とはお話していたようだ。

 

 8月8日の昼近くに発熱でまた受診した。当方の午前中の救急当番が終わるころだった。前回のCTを見ると、腫瘍か膿瘍が多発しているように見える。胃の噴門部に腫瘤が疑われた。胃癌・肝転移だろうか。

 造影CTを行うと、肝内に多発性に転移巣を認めた。そして胃の噴門部には腫瘤がある。

 症状を家族にも伝えていなかったが、飲み込んだ後につかえるような感じがあるという。発熱もあったが、食事摂取量が低下して、ADLも低下したので家族が連れてきたのだった。

 8月10日に上部消化管内視鏡検査を入れた。消化器科医が行う検査をいっしょに見ていた。胃の噴門部に1型進行癌を認めた。接触だけでもoozingがある。生検3個を採取して、其の後さすがにトロンビンを噴霧していた。

 生検の結果を2週間後に聞きにきてもらうことにした(盆休みで検査結果が遅れる時期)。治療は難しいと思われるが、希望があればがんセンターに紹介します、と家族に伝えた。(高次医療機関で判断されないと、当院の説明だけでは納得されないことがあるため)

 

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