8月8日に膵頭部癌の75歳女性が消化器科に入院した。地域の基幹病院緩和ケア科からの転院だった。
糖尿病で治療していた。血糖コントロールの増悪があり、そこで精査して膵頭部癌が発覚した。閉塞性黄疸に対して胆道ステントが挿入された。
本来ならば癌化学療法が行われるが、副作用を危惧して希望しなかったというか、拒否したそうだ。緩和ケア科の入院は、癌性疼痛の治療調整を行うだけで、短期間で退院になる。(そもそも癌性疼痛に対する処方もされていなかったが)
食事もとれるので、自宅退院して病状悪化時に再入院となるところが、脳血管障害の既往がある息子さんが希望されないようだ。患者さんの性格的な問題もあるのだろう。そこで当院に転院の依頼がきた。
患者さんは当院に長年看護師として勤務して定年退職となった方だった。当方が当院に赴任して数年後に退職されたので、面識はある。
ただ今回の入院でも面会は親族も含めて制限しているそうだ。まだ現役の時にいっしょだった看護スタッフも少数残っているが、面会はどうしたものかと迷っている。
転院してきてから、当院でもCTを行っているが、膵頭部癌は増大して、肝転移も目立つようになってきた。
CA19-9は胆汁うっ滞の影響もあり、>12000.0と著明に上昇している。