なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

前頭葉の脳梗塞と性格変化

2022年12月24日 | Weblog

 糖尿病・高血圧症で内科外来に通院している50歳男性は、陳旧性脳梗塞・症候性てんかんもあった。

 2年前に左片麻痺で地域の基幹病院を受診して、受診時に全身けいれんがあった。抗けいれん薬の投与でけいれんが治まるとともに左片麻痺も消失した。

 頭部CTで右前頭葉に陳旧性脳梗塞があり、脳梗塞による症候性てんかんと診断された。その後は抗てんかん薬内服で症状は治まっている。

 8年前から糖尿病・高血圧症で当院内科に通院しているが、何人かの先生の担当を経て、当方の外来に回ってきていた。先方の病院を退院後に、入院時に糖尿病の治療を担当した糖尿病代謝科の先生から当院内科宛に入院の報告が来ていた。

 患者さんから抗てんかん薬もいっしょに処方してほしいと言われて、合わせて処方していた。その後1年経過して、当院の神経内科外来(外部の先生担当)に紹介されてきたが、すでに内科で処方されていたので、内科の依頼があれば(神経内科)再診となっていた。

 8年前に頭部打撲で外科を受診した時に、頭部CT検査が行われていて、異常はなかった。

 その後に右前頭葉の脳梗塞が発症していたらしい。診療情報提供書によれば、母親の話として、3~4年前から怒りっぽくなり、暴力的になっていたそうだ。脳梗塞のためなのだろう。

 (どこの病院でもあるはずだが)当院のカルテには問題のある患者さんの場合、印がついている。それによると怒りっぽく暴言があり、職員は一人では対応しないようにとあった。

 外来で診ている分には、血圧と血糖を診ているだけなので特に問題はなかった。受診はあっさりしているというか、診療にあまり関心がなさそうで、診察が終わるとすばやい動きでさっと診察室を出ていく。これもたぶん脳梗塞の影響なのだろう。

  

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