なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

コロナというより誤嚥性肺炎

2022年12月07日 | Weblog

 月曜日に新型コロナウイルス感染症に罹患した93歳女性が入院した。隣の市内にある特別養護老人ホームに入所中だった。11月18日からホーム内でクラスターが発生していた。

 11月21日から発熱で発症して、酸素飽和度低下があった(次第に低下したのだろう)。12月4日日曜日に保健所から地域の基幹病院に入院依頼がされたが、受け入れ困難だった。

 翌12月5日に当院に入院依頼がきた。週末に2名退院したので、感染病棟は2床空いていた。ただ患者さんは酸素6L/分を使用して酸素飽和度が90%ということで状態が悪かった。

 超高齢で人工呼吸器管理は難しいことと、病状悪化時も高次医療機関搬送もないこと伝えて、来てもらうことにした。入院時も酸素飽和度は同程度だった。

 入院は発症9日目に当たる。抗ウイルス薬の適応はないだろう(10日以内なのでステロイドを使用する場合は併用するかもしれない)。胸部CTで左肺下葉に浸潤影+胸水貯留+無気肺を認めた。

 点滴(1000ml/日)と抗菌薬(スルバシリンABPC/SBT)で治療を開始した。翌日も発熱があったが、3日目の今日は解熱していた。酸素量は1L/分ずつ4L/分まで下げられた。

 コロナ発症前は食事摂取できていたそうなので、回復すれば摂取できるかもしれない。肺炎は治ったが、食べられない状態のままということもありうる。

 最近高齢者で見るコロナの肺炎は、ウイルス性ではなく、併発した細菌性肺炎であることが多い。

 

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