なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

DPB

2022年12月20日 | Weblog

 びまん性汎細気管支炎の72歳女性は、当院に通院するようになってから10回の入院歴がある。通院していた病院から紹介された時から、呼吸器科外来(非常勤医担当)に通院していた。

 びまん性汎細気管支炎deffuse panbronchiolitis(DPB)といえば、マイクロライド少量長期療法だが、この患者さんは効果がなかった(不応例)。

 喀痰培養では緑膿菌が検出されていた。緑膿菌に効果のある抗菌薬は当初感受性があったが、カルバペネムは温存していたにもかかわらず、感受性がなくなったりしていた。

 ピペラシリン/タゾバクタムは何度か使用されたが、薬剤熱が生じるようになり、使用できなくなった。第4世代セフェムは感受性があり、最近はもっぱらこれを使用していた。

 入院治療を要する時に外来担当医から依頼があり、何度か担当していた。そのうちに在宅酸素療法(HOT)が導入されていた。

 前回の入院後は、外来担当医が家族を呼んで、病状が厳しくなっていることを伝えていた。いよいよの時にどうするかだが、気管挿管・人工呼吸になると抜管できなくなる可能性が高いと見込まれた。

 

 今回は先週末から発熱があり、受診していた。土日の日当直は外部の先生で、コロナの検査をして陰性だと基本的にはそのまま帰宅としている。

 月曜日には呼吸困難で救急要請をした。救急当番だった神経内科医がコロナの検査をして(陰性)、あとはよろしくと連絡がきた。外来(再来)をしていたので、必要な検査を出しておいた。

 病棟や検査からの連絡を何度か受けながら、何とか外来を済ませて診に行くと、ちょうど検査結果が出たところだった。肺野全体に陰影があるので判読し難いが、いつもは今回はここの陰影が増えていると指摘できた。

 今回は両側肺野全体に陰影が多発している。酸素吸入は2~3L/分だが、痰がからんでくるとそれでは90%を維持できない。5L/分にして少し落ちついた。

 

 

 家族を呼んで病状を説明したが、患者さんは「今度入院する時は死んでしまう」と語っていたそうだ。今回も大丈夫、とはとてもいえなかった。

 粘稠な喀痰が常時排出されて、灰色痰に時々淡い血性の痰が混じっている。もともとやせているが、最近の食欲不振でさらに体重が減っている、

 

コメント (1)
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