なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

コロナの誤嚥性肺炎

2022年12月14日 | Weblog

 先週の金曜日に隣町の老人施設から、コロナの患者さんを紹介したいという連絡がきた。

 COVID-19のクラスターが発生した施設だった。11月26日に高熱があり、コロナの抗原検査で陽性と出た。経口の抗ウイルス薬(ラゲブリオ)を出したが、実際は飲めなかったようだ。

 高熱が続き、食事摂取もできず、反応も鈍くなっていた。12月1日に地域の基幹病院で外来アセスメントが行われて、コロナの肺炎ではなく、誤嚥性肺炎と診断されていた。

 入院にはならず、外来アセスメントだけだった。その後も症状が続いて、施設内で点滴(500mlを2本)をしていた。さらには酸素飽和度低下で酸素吸入もしていた。

 12月9日に、コロナの隔離期間は過ぎたとして、施設で町立病院に入院依頼をした。コロナの検査が陽性になるので(?)、入院させられないと断られていた。

 ふだんから時間外の入院は受けていない病院だと思うが、隔離期間を過ぎているといっても、過ぎたばかりというのは(本当に感染性はないのかと疑心暗鬼になり)いやなのだろう。

 当院で引き受けることにした。救急車の到着は時間外になるので、事務・放射線科・検査・感染管理看護師がそれまで残るようになる(当方も)。

 胸部CTをみると両側肺の下葉背側に浸潤影を認めて、確かに誤嚥性肺炎らしい。コロナのすりガラス陰影が浸潤影に変化してきた可能性も考えたが、基幹病院のアセスメントで誤嚥性肺炎と診断されているので、そうではないのだろう。

 

 通常の誤嚥性肺炎として治療を開始したが、肺炎が治ったとしても経口摂取は難しそうだ。状況が良い方に展開すればになるが、高カロリー輸液に切り替えて町立病院への転院を考慮することになるか。

 

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