なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

デキサメサゾンの効果

2022年12月18日 | Weblog

 12月12日に記載した「コロナらしい肺炎像」のその後。

 精神科病院に入院していた統合失調症の75歳女性が、11月27日にCOVID-19に罹患した。そのままその病院で経過をみていたいが、発症時から12日間発熱が続いていた。12月8日に保健所の指示で外来アセスメントを依頼された。

 胸部CTで両側肺にすりガラス陰影が広がり、酸素飽和度の低下していた。

 保健所によれば、入院している患者はそこで最後まで診ることになっているというが、精神科病院だったので当院入院とした。

 発症12日目で炎症期になっている。抗炎症薬デキサメサゾンの投与を開始した。デキサメサゾン8mg(6.6mg)から開始して5日間続けた。解熱して炎症反応が経過したので、そこからは漸減することにした。

 発症19日目の12月15日に胸部CTを再検した。すりガラス陰影はまだ残っていたが、索状影も出て、全体に軽快していた。炎症の影響で(低蛋白血症もある)胸水が少量貯留していた。(その前にポータブル胸部X線で見たが、悪化なく、むしろ軽減かというくらいで判読し難かった。ステロイドの問題があるのでCTで診ておきたかった。)

 呼吸器外来に来てもらっている大学感染症科の先生に相談すると、ステロイドは予定通り10日でいいでしょうということだった。(細かく漸減して続けるか迷った。)

 コロナらしい肺炎像も久しぶりだったが、デキサメサゾンの効果を見るのも久しぶりだった。

 

 ただこの患者さんは、診療情報提供書によると「統合失調症、拒食症」となっていた。嚥下訓練を開始したが、吐き出してしまう(薬は飲んでくれるが)。

 酸素吸入もやめて、治療も終了すれば、そのまま精神科病院に戻ってもらう方がいいのだろう(先方が受けれくれれば)。

 

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